最新情報詳細 一覧へ

< 一覧へ

供述の変遷

2010.01.12

 

 刑事被告人が供述を変遷させる場合と供述を変遷させない場合とで、どちらが信用性があるかという問題は、実は難しい問題です。
 足利事件のように、当初は認めていなかったものの、警察に「DNAが一致している。」等々いろいろと言われて、実際にはやっていないのに、あきらめと絶望の下で致し方なく自供する場合もあります。
 これは、警察の取調べ下という極限状態という特殊な事情があるからです。

 しかし、普通の日常的な場面で、供述の変遷を繰り返す人がいたら、あなたはその人の言うことを信用することができますか?

 日弁連執行部関係者は、法曹人口問題について、供述を変遷させてきました。例えば、司法試験合格者3000人を打ち出した日弁連の臨時総会決議が出た平成12年頃、日弁連は「弁護士はまだまだ足りない。」「いくらでも弁護士の需要はある。」等と言っていました。当時から、弁護士が足りないという統計資料は全く存在しなかったどころか、逆の統計結果が司法制度改革審議会から既に出ていたのに・・・。

 その後、日弁連が自ら行った調査でも訴訟需要も企業や官公庁からの需要のないことが統計で次々と実証された最近になって「あの時、日弁連が3000人に賛成していなければ、5000人や9000人。否。1万人になっていた。」などと言い始めました。

 しかし、平成12年当時、日弁連が3000人と言い出すまで、誰からも「5000人とか9000人」などという議論はありませんでした。
 司法制度改革審議会でも、そのような議論は出ていませんでした。
 「5000人、9000人、1万人」などといった議論が出てきたのは、平成15年頃以降の規制改革民間推進会議でのことです。

 「3000人に賛成していなければ、5000人。9000人。否1万人になっていた。」という議論は、明らかに後から自分達の行動を正当化するために、議論の時期を前後させて平会員を煙に巻こうとしているだけです。

 公式に3000人を打ち出したのは、日弁連が一番最初なのです。

 私のホームページにある「論文・司法改革関連資料」を見ていただければよくわかると思います。
 「論文・司法改革関連資料」は、時系列に並べてあります。

 残念なことには、この程度のことは氷山の一角でしかないということです。
 
 

pagetop