最新情報詳細 一覧へ

< 一覧へ

司法改革の失敗(2)

2012.05.17

 

 「司法改革の失敗」(花伝社)を共著で出させて戴きましたが、かなりその輪が広がってきていることを実感します。
 

 昨日、数年前から同じ弁護団で活動をしている若手弁護士から「ブログ拝見しています。数年前から『武本先生が法曹人口問題について何か言っているな。』とは思っていたのですが、これほど大変な問題だとは思っていませんでした。昨年の若手弁護士の就職難の数字を見て『これは大変なことだ』と気がつき、坂野先生のブログや武本先生のブログを見たりするようになって問題の深刻さがわかりました。」「すいません。気がつくのが遅くて・・・。でも、普通の弁護士はこんなものですよ。」「これからもブログ更新して下さい。」との有り難いお話しを頂戴しました。

 その若い弁護士は自らの無関心であったことを恥じておられましたが、「過ちて改むるに憚ることなかれ」です。
 この世の中には過ちを認めることのできない人がどれほど多いことでしょうか。
 特にプライドの高い弁護士においてはなおさらです。
  自ら過ちを認めることができると言うことは素晴らしいことです。
 
 そこから第一歩が始まると思います。

 本日、某新聞社の社説論者が兵庫県弁護士会まで来られて、法曹人口問題についての取材を会長らと共に受けました。
 
 その社説論者は、最後に「司法改革は間違っていたのではないですか。弁護士が司法改革が間違っていたことを認めるのが方向転換として一番わかりやすいのではないでしょうか。」といった質問をしてこられました。

 私としては、同じ言葉をそっくりそのまま社説論者に問いただしたかったくらいですが、大人の対応として「全くその通りですよね。」と申し上げました。

 もしかしたら、司法改革の失敗が社会に浸透するのは、弁護士が自らの過ちを認めるよりも早いのかも知れません。


 

添付資料添付資料を見る(PDF: 1313 Kbyte)

pagetop