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日弁連会内民主主義の危機(1)

2020.07.02

 

  我々弁護士のところに、令和2年6月14日付で「共同会派を組む立憲民主党、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」社会民主党が、同月12日に「新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた国民等に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律案」(新型コロナ法テラス特措法案)を衆議院議員に提出した」旨の報道が飛び込んできました。

  しかも、この法案提出に先立ち、日弁連執行部が日弁連理事会や日弁連の委員会に諮ることもなく、単位会に意見照会することもなく、もっと言えば、会員である弁護士に知らせることなく、与野党国会議員に対して上記法案提出に向けた働きかけをしていたということがわかりました。働きかけを行った人物も特定されています。
 
 これは、弁護士会及び弁護士にとっては由々しき問題です。

 この法案のように、全国の弁護士の弁護士業務に影響を及ぼす、弁護士の中でも意見が二分しかねない重大な問題について、日弁連が意思決定を行う場合には、日弁連内の委員会に諮り、単位会意見照会し、日弁連理事会で議論することで会員に情報公開をしておくべきなのです。
 そうでなければ、何のために日弁連理事会を開いているのか意味がなくなってしまいます。

ところが、今回は、日弁連執行部が会員に情報を開示することもなく、独断で国会議員に対して法案提出についての働きかけをしていたというのですから、全国の弁護士の意思をないがしろにし、会内民主主義を無視した行為と言われても致し方ないと思います。

 すなわち、法案の内容自体にも問題はありますが、より問題なのは、民主主義的組織であるべき、そして、適正手続きに最も敏感であるべき弁護士会が、会内民主や適正手続きを無視して進めたことなのです。

 会内民主主義の崩壊・適正手続き違背は、弁護士自治崩壊にもつながりかねない深刻な問題です。

 この問題については、三輪記子先生が中心となり、弁護士有志が日弁連執行部に対する公開質問状を提出することになりました。
 
 7月2日時点で呼掛人及び賛同者は、500名を超えています。

 弁護士の皆様におかれましては、もし、この問題意識を共有できる方がおられましたら、是非ともご賛同、否、呼掛人に名前を連ねて戴きましたら幸いです。
 念のため公開質問状をファイルとして貼り付けておきます。

         記
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfnN2ig7G-OkPa6b7ptx5-wjoWMlY7Wazyxo8g6DwLvQ-oCBw/viewform?fbclid=IwAR06tIi_7bnsyD8Oa_wlbv2GHABHKmzuAzEdLdn-Wlgc5ClFpHNOivR3QpY

 なお、この活動の中心として活動されている三輪記子先生には、先輩弁護士から長文の直メールで「軽率なことをするでない。」といったメールがあったそうです。これに対し、三輪先生が「話合いが必要と思います。」旨返信したところ、「反省されるところはないと考えているものと理解いたしましたので、残念に思います。老婆心ながら、信頼は、一瞬で崩れるということには気をつけられた方がいいと思います。」といった返信が来たそうです。

 メールを送られた弁護士がどなたかはわかりませんが、その言葉そのままその方にお返ししたいです。

添付資料添付資料を見る(PDF: 99 Kbyte)

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