平成21年5月29日、参議院本会議で消費者庁関連３法案が可決・成立しました。
　これまでは、消費者の問題が発生しても、各省庁の縦割り行政によりたらい回しや
そもそも所管する省庁が存在しないことで、消費者の被害救済が十分行われたと言えませんでした。
　こんにゃくゼリーによる窒息死の事例は、その典型的な例でしょう。

　社会的な不景気に伴い、食品偽装から架空請求等々まで消費者被害は跡を絶たないどころか、年々ひどくなる一方のように見受けられます。

　これまでの反省に立ち、消費者被害救済のため消費庁ができたことは、歴史的にも大きな一歩を踏み出したと言えるでしょう。

　ただ、消費者庁への移管が不十分なこと、相談員の待遇等々未だ解決されない
問題もあり、消費者庁法案も完全なものではありません。

　これから消費者庁をどのように活かしていくか、改善していくのか、一人一人の声は小さくても、私達消費者が集まれば、大きな数になります。その数を力に変えて、これからも消費者被害救済のため微力を尽くせればと思っています。

弁護士　武本夕香子