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言語道断のJR西日本と国土交通省航空・鉄道事故調査委員会

2009.09.28

 

 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の委員であった山口浩一氏と佐藤泰生氏がJR福知山線脱線事故の最終報告書案を事前にJR西日本に漏洩していたことが発覚しました。
 航空・鉄道事故調査委員会とは、主に航空・鉄道・船舶の重大な事故について原因を究明して国土交通大臣や関係機関に対して適切な措置等を求める国土交通省直属の機関です。
 この事故調査委員会は、公の機関で、専門性と公平性・中立性があるからこそ、社会的に大きなな信頼が寄せらるのです。そして、この委員会の作成する報告書は、その記載の仕方や内容がJR西日本の違法性の程度や内容を決定するに際してきわめて重要な影響を与えます。
 「李下に冠を正さず」と言います。事故報告書を公表する前に、一方当事者であるJR西日本の関係者とプライベートな場面で接触すること自体事故調査委員会の公平性・中立性を疑わせます。
 それどころか、そのような重要な報告書を事前にJR西日本に見せて、しかも、JR福知山線脱線事故の原因として一番重要な問題であるATS設置の部分について、元委員がJR西日本に有利になるように削除を求めたとの報道が事実だとすれば、言語道断です。
 JR西日本と事故調査委員会との接触により、報告書に実際にどの程度の影響があったかは分かりませんが、このような事実の存在があるだけで報告書全体の信頼が失墜させられるのです。
 JR西日本と事故調査委員会は、今回の件でJR福知山線脱線事故の遺族や負傷者をどれだけ傷つけ、失望させたかを深く反省して欲しいものです。 
 また、JR西日本と事故調査委員会が傷つけたのはJR福知山線脱線事故の被害者だけではありません。事故調査委員会がこれまで調査等を行ってきた過去の事故の全ての被害者からの信頼まで貶め、失望させたことをしっかりと自覚して欲しいと思います。

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