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先物取引被害全国研究会in神戸

2009.10.02

 

 第62回先物取引被害全国研究会に参加してきました。

 無理矢理取引を開始させられ全財産を失うといった被害が未だに後を立ちません。
 先物取引、ロコロンドン、外国為替証拠金といった取引は、仕組みが非常に複雑で投資経験がある方でもなかなか理解することができません。取引途中で自分が損をしているのか、得をしているのかさえ分からないのです。
 そのため、顧客は業者の言いなりにならざるを得ず、言われるままにお金をつぎ込むことになります。株式投資なら、最悪、出したお金を失うだけで済むでしょう。しかし、先物取引の場合、被害に遭う金額は当初出すお金だけでは済みません。そのため、気がつけば全財産を失うだけでなく、借金までさせられる等といったことが起こりうるのです。

 このような事例を撲滅し、被害救済を図るため、全国から弁護士が集まり、お互いにノウハウや情報を提供し合い、スキルを磨くのがこの研究会の目的です。
 
 午前は京都弁護士会の加藤進一郎弁護士が「先物被害救済の実務」という講義を、実際の事件の流れに沿って分かりやすく解説されました。加藤弁護士の冷静で緻密な事件の分析や対処方法は、今後の事件への取り組みに大変参考になりました。

 午後は、早稲田大学の尾崎安央教授が「市場の利便性と信頼性」という講義をされました。尾崎教授は、「先物取引というと悪の権化のように言われるが、先物取引業者を潰せば市場自体が潰れる。市場全体が潰れることの影響の大きさを考えて欲しい。」との話をされました。

 しかしながら、私達弁護士は適正な取引を問題にすることはありません。私達弁護士が取り組んでいるのは、悪質な事案や悪質な業者のみです。

 弁護士が槍玉に挙げるような悪質な事案や悪質な業者のみで成り立つ市場であれば、そのような市場はむしろ早くに潰れた方が社会のためになると思うのですが、いかがでしょうか。

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