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医師の数は足りないのか?

2009.10.28

 

 ニュースでは、何かというと医師不足が叫ばれます。
 
 しかし、町を少しでも歩くと、あちこちに○○クリニック、○○内科などなど、嫌というほど病院の看板を見かけます。
 コンビニよりも多いのでは?と思うほどです。

 実際、何人もの知り合いの医師に聞きましたが、皆口をそろえて「開業医は飽和状態」「開業医は多すぎる。」と答えます。
 
 それでは、一体何故「医師不足」と言われるのでしょうか?

 結局、局所的に医師が足りない状況があるようです。
 例えば、訴訟リスクが高く「治るのが当然」と思われがちな小児科医や産婦人科医は確かに足りません。また、重症患者が多く訴訟リスクが高いのに過重労働を強いられ、給料が低い勤務医など、一部の過酷な分野で医師が足りないのです。
 
 大野病院の逮捕事件等を見れば、しんどくて、リスクの高い分野に医師が進出しなくなるのは、ある意味当然と言えるでしょう。
 高度な最先端の医療を施そうと思えば、その分リスクは高くなります。

 医師の中には、訴訟を覚悟してでも、患者が治るわずかな可能性に賭けてリスクの高い医療を施す志の高い医師がたくさん存在します。
 しかし、犯罪者にされるリスクまで医師に覚悟しろというのは、あまりにも酷です。
 
 逮捕され、犯罪者との烙印を押されれば、その医師の社会的生命は完全に絶たれるといっても過言ではありません。
 他の医師に対する萎縮的効果も見逃せません。
 
 逮捕して医師を糾弾することは簡単ですが、それでは、二度と同じ過ちが起こらないように真実を追求したり原因を究明する道を遠ざけかねません。
 医療の発達を妨げるおそれもあります。
 
 事実を正確に把握し、問題の原因を究明し、的確な対処をしなければ意味がないのです。

 これと同じことが弁護士の分野でも言えます。
 マスコミでは、弁護士不足が叫ばれますが、実際には、毎年就職できない人が数百人も発生するくらい弁護士は社会に溢れています。
 
  やっと最近では、週刊誌などで綿密な取材に基づいた正確な記事も見受けられるようになりましたが、マスコミには事実に基づいた中立的で冷静な報道をして戴きたいものです。

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