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2009.11.08
数ヵ月後には日弁連会長選挙が行われます。
日弁連の会長選挙といっても、弁護士以外の方には、全く何のことかさっぱりわからないと思います。
一般の世界から見ると「井の中の蛙」の小山の大将を決めるに過ぎないのですが、私達弁護士にとっては、きわめて重要な問題です。
以前の平和な時代には、弁護士は皆興味がなく、「なりたい人がなればよい。」「誰がなっても構わない。」といった感じでした。
しかし、司法改悪の嵐に翻弄され、弁護士会丸が沈没しかかっているのですから、本来、舵を任せるのに誰でも良いというわけではないはずです。
ところが、「ワーキングプアー弁護士」と言われるようになり、余裕のなくなった多くの弁護士は以前とは違った意味で益々選挙に無関心となり、選挙活動や選挙自体に対する興味や余裕が以前にも増して薄れているようです。
派閥に逆らえば仕事も失うのではないかという恐怖感からなのか、特に都市部では投票行動が派閥でがちがちに固められ、他の候補者に対する足の引っ張り方も尋常ではありません。
私には、「○○さんから『この人に投票してほしい。』という電話がかかってきたからその候補者に投票する」という弁護士の気持ちは全く理解できませんが、このような派閥やしがらみだけで投票する弁護士が多いのは事実のようです。
派閥を作り順番で会長に押し上げるシステムは、お互いの地位を引き上げるための一番手っ取り早い方法なのでしょうか。
そのシステムが活発に利用されています。
また、自分達に逆らう人間は徹底的に排斥しようとします。
孔子は論語で「子曰、君子矜而不争、羣而不党」(「子曰く、君子は矜(きょう)にして争わず、群して党せず。」)と言ったとされています。
「諸君は自尊心をもちながらしかも排斥しあわず、共同に仕事をしながら、しかも派閥を作らぬように心掛けるがよい」(宮崎市定著「論語の新研究」)という意味だそうです。
弁護士の世界は、孔子の言葉とは全く逆の事態に陥ってしまっているようです。