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静岡県弁護士会で意見交換

2009.12.11

 

 昨夕、静岡県弁護士会で法曹人口問題についての講演と意見交換をさせて戴きました。
 主催は、静岡県弁護士会「将来構想委員会」という委員会で、この委員会は、広報のあり方等ありとあらゆる問題について弁護士会の将来を広く考えるのだそうです。

 今回は、弁護士の将来構想の一環として、司法改革問題のうち法曹人口問題を取り上げて戴き、呼んで戴きました。
 
 静岡県弁護士会は、訴訟需要の減少率が全国でも例外的に少なく、まだ「弁護士が足りない」という感覚を持っておられる方もおられるようでした。

 そんな静岡県弁護士会でも、就職先がなく、司法研修所を出ると同時に独立を余儀なくされる、いわゆる「即独」弁護士が近々出るようです。

 通常、弁護士は、司法研修所という訓練所を卒業した後、どこかの事務所に給料をもらいながら弁護士としての基礎を徹底的に叩き込まれる「イソ弁(居候弁護士の略)」を3年から5年間経験し、その後、独立開業していました。
 弁護士の仕事というのは、法律を知っていればできるようなものではありません。
 従って、この「イソ弁」制度はきわめて重要かつ必要なルートだったと言えます。 
 そして、以前は、このイソ弁先が見つからないということはありませんでした。

 しかし、司法試験合格者数を必要以上に激増させたため、就職先のない弁護士が大量に出てきました。そのため、イソ弁として実務につきながら、基礎を習得する機会がなくなり、研修所を出た途端、独立開業を強いられる「即独」弁護士が全国のあちこちで出てきています。

 訴訟需要の減少率が全国で最も少ない静岡県弁護士会でも「即独」弁護士が出ているというのですから、驚きです。

 参加されている弁護士の中には「以前と比べても仕事が非常に減った。以前は断っていたような経済的合理性のない事件も手がけるようになった。このこと自体は良いことかもしれないが、このままでは5年後に自分が弁護士を続けていられるかどうかわからない。」「このままの状態で弁護士が増え続けたら、事件漁りや着手金狙いの言いがかり訴訟等が増えるのではないかと心配している。」などと発言された若手弁護士も複数いらっしゃいました。
 
 弁護士激増による社会的弊害が社会問題化するのは、もうすぐです。

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