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あきれた日弁連法曹人口問題検討会議の答申

2010.05.12

 

 平成22年3月5日付けで日弁連法曹人口問題検討会議が「「当面の法曹人口のあり方に関する提言」以降の当連合会の法曹人口問題に対する取り組みについて」と題する答申書を出したことを弁護士の皆様はご存知でしょうか。

 法曹人口問題について、このような大事な書面が出されたことについて、法曹人口問題プロジェクトチームの座長が自分でアンテナを張り巡らしていなければ知り得ないこと自体、弁護士会の風通しの悪さを実感しますが、驚いたのは答申書の内容です。

 「4 法的ニーズの検証」項に「④潜在的ニーズ」と項目があるのですが、その一部を以下に抜粋します。
 「潜在的な法的ニーズの検証にあたっては、現在の静態的数値に捉われることなく、」「動態的検証が必要」として
 「中小企業ニーズについていえば、多くの中小企業が法的問題と認識していない領域に対し、日弁連(ひまわり)中小企業支援センター等の活動や事業承継、事業再生事案の取り組み、商工会・商工会議所とのネットワークなどのニーズ発掘活動により飛躍的に伸びる可能性がある。」
 「大企業ニーズとしても内部統制(コンプライアンス)、企業の社会的責任(CSR)等の弁護士関与、社外取締役・社外監査役への就任など、積極的なアプローチ、広報そして立法による関与の義務付けなどによってニーズが大きく発掘される可能性がある。大規模事務所がこの数年多数の新人弁護士を採用したが、M&A案件、大規模倒産事件など企業関連事件が」「潜在的には常に大きな法的ニーズを抱えている」
 「市民ニーズについても、500~1000円/月の弁護士保険に入っても良いという大多数の人のアンケート調査どおりに、弁護士保険の現在の飛躍的伸び率が今後も続けば、この領域での弁護士アクセスは大きく高まると予測される。市民ニーズのアクセス障害の克服(少額訴訟の工夫や工法など)が進めば、潜在的ニーズが大きく開拓される可能性がある。また、少額ないし定型的な事案に対する低コストによる取り組みが奏功すれば、潜在的ニーズが発掘される。」
 「渉外事件等国際分野での仕事の広がりについては」「さらにグローバル化による今後の大きな潜在的ニーズでもある。」 
 「弁護士会が実施している法律相談は有料のため無料相談に流れることもあって減少傾向にあるが、このことが法的ニーズの減少を示すことにはならない。」
のだそうです。
 
 「馬鹿」も休み休み言うべきでしょう。
 
 日弁連が「法的潜在的ニーズが山ほどある。」と言い出したのは、10年以上前のことです。
 この10年間で、激増した弁護士数の供給を全く吸収しきれていないではないですか。
 だいたい、このような馬鹿げたことを未だに言っている弁護士が毎年何人の弁護士を雇っていると言うのでしょうか。この答申書の通りであれば、この検討会議のメンバー自身がいくらでも弁護士を雇っているはずです。
 
 日弁連が行うべきは、まず、法曹人口問題検討会議のメンバーの責任追及からでしょう。
 誰も責任追及をしないから、このような無責任かつ有害な意見が出されるのですから。
 
 法曹人口問題検討会議のメンバーは恥を知るべきです。

 自分達の知能レベルを同業者から疑われてでもこのような嘘八百を書き続けなければならない理由をまずは示して欲しいものです。
 


 
  
 

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