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2010.08.03
今日午後6時から兵庫県弁護士会講堂で3月11日未明に亡くなられたU先生の追悼の会が開かれました。
U先生は、私よりも2期先輩で、同じ会派(弁護士にも派閥があるのです。)に所属されていました。
U先生のご病気のこともあり、ここ数年間は、U先生とお目にかかる機会がほとんどありませんでした。
でも、U先生との最後の会話は今も私の耳にはっきりと残っています。
U先生との最後の会話を、私は一生忘れることはないでしょう。
U先生と最後に話をしたのは、昨年、私が兵庫県弁護士会会長選挙に立候補をしたまさに投票日前日のことです。
その日、私は「選挙活動としてできることは全てやったので、もう思い残すことはない。」と明鏡止水の心境で選挙活動の間に溜りに溜まった仕事に事務所で必死に取り組んでいました。
U先生から事務所にお電話を頂戴するのは、本当に突然のことで、また、それまでU先生からお電話を頂戴するようなことはなかったので、私は少し驚きながら電話に出ました。
U先生は、乾いた声でとてもだるそうに、でも、毅然とした口調で「武本さんの仰っていることは以前から正しいと思い、陰ながら応援してきました。申し訳ないですが、私は病気をしていて、武本さんの活動を手伝うことはできません。でも、明日の投票には、絶対に行きます。勿論、武本さんに投票します。私には投票くらいしかできませんが、これからも応援しています。是非頑張ってください。」と仰って下さいました。
私は、U先生に「先生の1票で勝敗が左右されることはないと思いますので、ご無理なさらないで下さい。先生の御身体の方が大切ですから。」と何度も申し上げました。でも、U先生は頑として「いえ。私には1票を投ずることくらいしかできませんから。」とその都度力強く言われるのです。そこで、私は何度もお礼を申し上げると同時に「でも、無理しないで下さい。」と再三申し上げて電話を切りました。
電話を切ってからも、その後しばらく、私は、感動に胸が震え、しばし呆然としていました。
あいにく選挙には破れてしまいましたが、法曹人口問題PTから上程した今年3月23日の年間司法試験合格者数「1000人決議」については兵庫県弁護士会の臨時総会でトリプルスコアの大差で可決させることができました。
U先生は、残念なことに、この1000人決議の可決を見ることなく、その2週間ほど前に、これまた突然旅立ってしまわれました。
U先生が兵庫県弁護士会の「1000人総会決議」の圧倒多数による可決を見られたら、どれほど喜んでくれたでしょうか。
U先生のご遺志を無にしないためにも、わが国の司法制度、社会正義の実現のためにも、今後とも司法改悪に対する闘いを続けねばならいと思いました。
U先生、安らかにお眠りください。
その後の行く末は、私がいつの日か直接伺ってご報告をさせて戴きますから。。。