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市民・世論の理解

2010.09.24

 

 前回の法曹人口政策会議運営会議の論点の多くが「(例えば)弁護士の就職難を主張して」「市民・世論の理解が得られるのか。」等々といったものであること、事務局弁護士により強引に司法改革路線を踏襲する方向でもっていかれそうになっていることは先日このブログでも申し上げました。

 しかし、市民・世論の理解が得られなければ、正しいことであっても言わないのでしょうか。

 私は、運営会議の前に行われた法曹人口政策会議全体会議で「世論やマスコミの理解が得られないからと言って正しいことを言わないということは『基本的人権を擁護し、社会正義を実現する』との看板を掲げている弁護士には許されない。仮に、世論やマスコミを敵に回すことになったとしても正しいことを言うべきで、弁護士が世論やマスコミに迎合すべきではない。」との意見を申し上げました。

 しかし、その後の運営会議で同じような議論が再び持ち出されるわけですから、その前の私の議論は、全く無視されたことになります。

 本当に酷い話です。

 会議での委員の意見を無視して、更には、多数意見とは違う特定の方向に持っていこうというのですから、弁護士会には民主主義も何もあったものではありません。

 ただし、「司法改悪に反対すれば、市民やマスコミの理解が得られない」との司法改悪推進派の議論は、司法改悪推進派がかなり追い詰められてきていることを意味します。

 実体のない『世論』や『市民』を持ち出す以外に司法改悪を推進する理論的主柱がもはや存在しないことを自供しているに等しいのですから。

 


 

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