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2010.10.07
先の10月6日の読売新聞に大阪弁護士会が200万円以上の会費を滞納した2人に対して「収入少ない若手に示しつかない」ということで退会命令を出した記事が載っていました。
弁護士の会費は、弁護士会によっても違いますが、月額5万円程度から8万円程度で、年額にすると50万円から100万円程度に上ります。人数の少ない県の弁護士会費の方が1人当たりにかかる負担は重くなりますので会費は高くなります。大阪弁護士会は会員が多く、他の弁護士会と比較して会費が低く、月額4万4000円程度です。今回、退会命令を受けた2人は共に6年以上もの長期間会費を滞納していたそうです。
問題は、後半部分の会費滞納は絶対にしないという若手弁護士の実情です。
1人は、収益が「月約30万円」で「事務員を置かず」、収益から「(家賃等)経費を差し引くと月約10万円しか残らない」ので、貯金を取り崩して生活をしているそうです。この話は、42歳の男性弁護士のことです。
もう1人は、「実家からの仕送りに頼る」44歳の男性弁護士です。
2人とも弁護士自治のため、当然の義務である会費を滞納することは決してないのだそうです。
42歳の男性弁護士の場合、手元に残る10万円が弁護士会費を差し引いた後の金額なのか、差し引く前の金額なのかは、この報道からはわからないのですが、仮に、この10万円が会費を差し引く前の金額だとすると、結局、この男性弁護士には月数万円しか手元に残らないことになります。
後者の44歳の男性弁護士は生活を両親からの仕送りに頼るとのことですが、おそらくご本人の年齢から推察するに、この方のご両親は年金生活者なのではないでしょうか。
いずれにしても、残念ながら若手弁護士2人とも弁護士業で生活できているとは言えないようです。
この2人の弁護士の話は、弁護士がもはや職業として成立たなくなってきていることを物語っています。
今回の司法改革は、弁護士潰しが最大の目的ですが、弁護士制度の崩壊は、もうすぐです。