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2010.10.16
10月15日付の朝日新聞に「給費制維持は改革に逆行」との青山善充法科大学院教科論文が掲載されました。
まず、この題名からして、この論文が読むに足りない文章であることが分かります。なぜなら、この題名は、「改革」という名のつくものは、無条件で全て良いものであり、それに反抗する人乃至主張は許さないという、論理不在の傲慢な認識が前提になっていることが伺われるからです。
「改革」といっても、「改良」の場合もあれば「改悪」の場合もあります。
その「改革」が良いものか悪いものかをまず論証する必要があるはずです。
特に、この青山教授が言う「司法改革」については、私のみならず多くの弁護士や大学教授が「司法改悪」であると評価し、少しでも司法改悪を阻止して司法制度を正すべく日々闘っているのです。
この論文は「小さな歯車を狂わせることで、司法制度改革という大きな時計の針が逆戻りさせられようとしているのではないか。そんな懸念を抱かざるを得ない。」という文章から始まります。
この文章により、青山教授は、給費制維持というのは「小さな歯車」、すなわち、取るに足りない小さな問題で、このような小さな問題により、もっと大切で素晴らしい「司法改革」に水を差すのはいかがなものか、ということが言いたいようです。
しかし、司法改革が悪いものであれば、むしろ時計の針を逆戻りさせるべきだということになります。実際に私達はこの10年間以上の長きに亘り「大きな時計の針を逆戻り」させるべきだと論証し続けているのです。
この教授だって法律家の端くれ、というよりも大家で有名な先生なのですから、まずは、司法改革が良いものであるということを論証してはいかがでしょうか。
また、給費制維持は、小さな問題と言われますが、金持ちしか法曹になれないという問題がどうして「小さな問題」と言えるのでしょうか。
そもそもこの教授には法曹に必要な人権感覚が欠落しているといわざるを得ません。
その他この論文には、悪質な印象操作や誤導が含まれていますが、それは明日以降に少しずつこのブログで問題にしていきたいと思います。
(続く)