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2010.11.16
平成12年の司法改革喧しい当時、司法改悪推進派は、司法試験合格者数を3000人にして弁護士総数5万人にすると喧伝しました。
この点は、私も過去再三指摘してきましたし、大阪の坂野先生も指摘されていることで、何度も繰り返したくはないのですが、未だにご存知ない方が弁護士の中にもいらっしゃると伺い、今回も再度指摘させて戴きます。
法曹人口シミュレーションによれば、年間司法試験合格者数を1000人にした場合に、弁護士総数が約5万人近くに達します。
年間司法試験合格者数を3000人にすると弁護士総数は、将来的には13万人になり12万人程度で自然減と自然増が均衡します。
年間司法試験合格者数1500人にすると弁護士総数は6万人に達して6万人で自然減と自然増が均衡します。
従って、3000人→5万人はデマゴーグです。
この点、「1996年の弁護士調査では、1000人でも弁護士が増え過ぎて過当競争により公益活動が低下し、社会的弊害が起きると弁護士が言っていたが、現実には2000人でも何とかなっているではないか。」との意見があります。
しかし、これほど多い人数の弁護士未登録者や就職できない弁護士が溢れ、倫理的に問題ある弁護士や弁護士会費も支払えない弁護士や親からの仕送りで経費を捻出したり、貯金を取り崩して経費を捻出する弁護士が出てきているのに、「何とかなっている。」と言えるのでしょうか。
この10年間、過払金バブルと言われる現象が弁護士の社会に起きたことで、弁護士過剰による社会的弊害が顕在化することがかなり遅れたことは、長い目で見ればわが国社会の不幸であると言わざるを得ません。
一部の消費者被害救済弁護士の長年に亘る努力により、サラ金業者に対する取引履歴の開示及び過払金返還請求が最高裁により認められるようになりました。それが、司法書士や弁護士の制度「延命」に寄与したことは誰しも否定できないと思います。
逆に言うと、この過払バブルと言われる現象がなければ、もっと早くに弁護士供給過多による弊害が顕著になっていたはずです。
しかしながら、この過払バブルをもってしても、最近の弁護士供給過多を取り繕うには限界が来ています。
現時点で、今年の一括登録日に弁護士登録をしない有資格者は、約300人に上るであろうことがわかっています。
弁護士制度崩壊はもう目前に来ています。
ところが、日弁連法曹人口政策会議での議論と来たら・・・。