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2011.03.27
3月27日は、日弁連臨時理事会が開かれ、法曹養成の改善に関する緊急提言が決議にかけられる予定になっています。
今回の日弁連の緊急提言の一番の問題は、緊急提言の内容もさることながら、何といっても会内における民主的手続きを経ていないことだと思います。
「今回の緊急提言は、平成12年11月1日の臨時総会の決議の範囲内だから、今回は、民主的手続きを経ていなくても許容される。」との意見もあるようです。
しかし、それはとんでもない話です。
法科大学院制度が決議された平成12年11月1日の臨時総会では、法科大学院について、事前に意見通告をしていた会員が多数存在していたにもかかわらず、多くの会員の意見通告を無視して強行採決されました。
当日は、法曹人口問題だけでも夜9時過ぎ頃まで議論が続き、私が「徹夜してでも何としてでもこの決議を阻止しなければ。」と思い始めた時でした。法科大学院の議論が始まり、数名が意見を言い終わった時です。「パチーン」という何かの合図が聞こえたと思った瞬間、某会員がマイクに走り寄り、採決の動議を出しました。
「法科大学院に対する議論は始まったばかりじゃないか。」「せめて事前に意見通告をした人だけでも意見を言わせろ。」数々の怒号が飛び交う中、議長が「少数意見の方のご意見は十分伺いましたので、採決を行いたいと思います。」と述べて無理やり強行採決に移りました。
「汚い。」
「ああ。これで、この国の司法制度は終わった。」
煮えたぎるような怒りと絶望感が一気に込み上げてきたことを昨日のことのように思い出します。
そうです。執行部は、白紙委任状を事前に全国から集めており、白紙委任状の数だけでも十分可決に持ち込めることを把握していました。そして、当日の臨時総会は、あたかも反対意見を踏まえたかのような形を取り繕うためだけの単なる「儀式」に過ぎなかったのです。
「これだけ我慢して聞いてやったんだから、いい加減にしたらどうだ。」とでも言いたげな人達の姿からして、もともと真面目に議論するつもりなど毛頭なかったのは明々白々でした。
あの臨時総会決議をもって法曹人口問題、いわんや法科大学院制度について民主的な手続きがあたかも経られたかのごとき口実が到底許されるはずがありません。
特に、法科大学院制度については議論が尽くされたなどといえる代物では到底なかったのです。
万歩譲って平成12年11月1日の決議をして民主的手続きを経たと仮に言えたとしても、平成12年の総会決議の内容が今回の緊急提言の内容を包含しているとは言えないでしょう。
その上、平成12年の総会決議後の11年間で、法曹人口問題及び法科大学院制度について、これほどまでに「ひずみ」や社会的弊害が明らかとなり、会員の意見も大きく変化しました。
にもかかわらず、平成12年11月1日の臨時総会があるからといって、「その決議がある以上、会内の民主的手続きを経ることなく、日弁連としての意見を言っても良い」との意見は、あまりに硬直的で、一方に肩入れした偏頗な意見とのそしりを免れないでしょう。