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2011.08.22
昨夜、某弁護団の弁護団会議と懇親会で、大阪、京都、愛知、兵庫から弁護士が大阪に集まりました。
私よりも若い弁護士が大半でしたが、私よりも先輩の弁護士もおられました。
でも、若手弁護士から中堅弁護士まで皆さんおしなべて「今年に入ってから事件が激減した。このままでは何時まで弁護士を続けているかわからない。」と嘆いておられました。
夢がないのは、若手弁護士だけではありません。
ベテラン弁護士は「修習生の教育担当をするのは気が重い。就職のお世話はできないし、かといって事務所の事件は減る一方なので自ら雇うわけにもいかない。だいたい同情して雇っていたらキリがない。修習担当をはずれたい。」と深刻な顔で話しをされていました。
目の前で就職先がない修習生を見ているだけでも辛いのです。
中堅弁護士の中にも無力感・絶望感のみが広がっています。
その上、聞くところによると、「仮にやっと就職先が見つかってもその多くが1年くらいで放り出される。」というのです。
私がその理由を尋ねたところ、「「弁護士会から新人弁護士を雇うように」とのプレッシャーをかけられ、他方で事件が増えない以上、新しい人を雇うためには、昨年雇った弁護士をところてん方式で事務所から追い出さなければならないから。」だそうです。
我々弁護士の仕事は、職人の仕事と同じで、1年で一人前になるのは大変です。
1年で事務所を放り出されたとしても、その地域での信頼を得るにはあまりにも短か過ぎます。
従って、仕事上、独立して弁護士として事務所を開業する難しさもさることながら、独立採算で事務所を運営していくのは、もっと大変でしょう。
ましてや法科大学院から司法試験に合格するまでにできた「奨学金」という名の多額の負債の返済が重くのしかかる若手弁護士にとって、1年で放り出されることの心細さと言ったらないのではないでしょうか。
私は弁護士5年目で独立しましたが、独立したての時は「自分なんかに事務所運営ができるかしら?」と心配になり、暗い気分になったのを昨日のことのように思い出します。
私など、赤字経営になれば弁護士を辞めればそれで済むのですが、それでもノイローゼのような心境になるのですから、将来を背負って立つ若手弁護士が「夢」を持てないのは、むしろ当たり前でしょう。