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2011.08.25
最近は、テレビ広告や電車のつり革広告で弁護士の宣伝を見ない日はなくなりました。
日本の弁護士もアメリカ型弁護士に以降しつつあるようです。
アメリカなどを旅行すると、テレビで弁護士事務所のCMを頻繁に拝見します。
「交通事故や離婚は、是非わが事務所に!絶対に悪いようにはしません。」と言いながら、ハンサムな弁護士が真っ白な歯を見せて満面の笑みを浮かべ、視聴者に訴えかけるのです。
(※日本の場合、弁護士の事務所は「法律事務所」と言い、司法書士の事務所は「法務事務所」と名称が異なりますが、アメリカ等には司法書士や行政書士といった隣接士業がありません。)
弁護士業務は、人の不幸が常に伴うといっても過言ではありません。
離婚、交通事故、破産、遺産相続、医療過誤等々、弁護士に相談する項目は、どれをとっても、トラブルに巻き込まれた人からすれば、うれしいことは一つとしてありません。
にもかかわらず、「交通事故や離婚は、是非うちの法律事務所に!」と言われてニコッと笑われると、どうも人の不幸を喜んでいるように見えて仕方がないのです。
もし、私が利用者なら、人の不幸を喜ぶような弁護士のところへは相談しに行く気にはなりません。
私は事件が終了して依頼者から別れを惜しまれるとき、必ず依頼者に対して「ありがとうございます。でも、弁護士とは関係が切れた方が良いのですよ。これから二度と弁護士のところに来ないで済めば良いですね。」と言います。
人の不幸を伴う弁護士業務が繁栄する社会は望ましいとは到底言えません。
弁護士業が必要なくなる社会を目指すべきです。
「弁護士の人数が増えても営業の仕方でどうにでもなる。」などと無責任なことが言われますが、弁護士が繁栄すればよいというものではありません。ましてや、営業活動で自分(特定の弁護士)さえ生きていければそれでよいという問題でもありません。
司法改革は、司法制度をどのようにすべきか、どのような社会を目指すかという問題です。
その上、弁護士業は、特に、一歩間違えば、逆に弁護士が依頼者の人権侵害をしかねない危険な業務なのです。
営業活動をして依頼者さえ呼び込めばよいという、そんな問題ではないことは肝に銘じてもらいたいと思います。