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「『大増員時代の弁護士』弁護士観察日記PART1」河野真樹著

2011.08.26

 

 昨日、「大増員時代の弁護士」弁護士観察日記PART1」(共栄書房)という本を著者の河野真樹氏に送って戴きました。

 この本の著者である河野氏は、法律新聞の元編集長をされており、現在も、インターネット上で、弁護士業界や司法界に対する鋭い識見からブログ(http://kounomaki.blog84.fc2.com/)と司法ウォッチ(http://www.shihouwatch.com/)という市民との対話のページを立ち上げられ精力的に活動をされています。

 河野氏のこの著書は、「ある弁護士の廃業宣言」という衝撃的な事実から始まって持論を展開されるのですが、弁護士以外の方でこれほど弁護士業界を良く観察され、良識的な発言をされている方は珍しいのではないかと思うほど良く書かれています。
 
 河野氏のこの本は、弁護士必読ですが、弁護士以外の方にも是非とも読んで戴きたいと思います。

 この河野氏の著書では、今年3月27日理事会で決議された日弁連の法曹人口に関する緊急提言についても言及されています。
 その中で私がとても共感する部分がありますので、以下に引用させて戴きます。

 河野氏は「(日弁連の緊急提言は)肝心の「ニーズ」があるのかないのかについては問題を棚上げにして、まだ回答を留保している感もあります。ましてペースダウンでの増員基調や将来五万人などという目標も、いったん白紙にして、「当初予測されていた弁護士への法的需要が社会に現れていない」、いわば判断ミスの責任を率直に認めた方針転換でも宣言しなければ、この就職対策そのものが誤解されて社会に伝わる可能性があります。」と書いておられます。

 全くその通りです。
 日弁連は、判断を見誤ったのです。
 それを率直に認めることから、日弁連の方針転換は始まるのです。
 というか、日弁連が自らの過ちを認めなければ何を言っても説得力はありませんし、何も始まりません。

 来年は、日弁連会長選挙です。
 臭い物に蓋をいして、小手先だけの誤魔化しを主張するような日弁連会長候補者は要りません。

 当選したいたがめのリップサービスは、品格のない人に限ってします。
 
 これからの日弁連会長選挙は、その候補者が単なるリップサービスを言っているかどうかをくれぐれも良く見極める必要があると思います。

 

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