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2011.10.18
昨日、ご紹介した読者のメールには続きがあります。
今日は、その他の部分を紹介させて戴きます。
(※勿論、ご本人からインターネット上での公開についてご承諾を得ています。)
「実は、勤務先を退社して法科大学院に入学した男がいます。K君と言いますが、勤務中に貯金し●●大学の法科大学院に進学しました。去年、卒業し1回目の司法試験を受験しダメで今年もダメでした。新制度によると3回受験してダメなら退場となるのですね。彼は、年齢は40歳近くになっております。彼の将来を思うと暗澹とするのですね。そのうえに、合格してもまた修習がありその先の就職が大変厳しいとのことです。半分くらいができないようですね。どうしてこういうことになったのでしょうか。」
「K君は、勤務先に残っておればそろそろ課長です。優秀な技術やでした。畑違いでやってみたかったのかなあ。なんか、彼のことを思うとつらいです。先生の怒りはよくわかります。毎年、これからもK君のような犠牲者が出てくるでしょう。しかし、先生がおっしゃる司法試験1000人制度。これをやるとなると法科大学のほとんどは存続できなくなるでしょうね。一度、制度が動き出すと直していくのは大変ですねえ。しかし、やらなくてはならないことはあります。先生、がんばってください。では失礼します。」
(引用終わり)
この読者のK君に対する愛情と口惜しさが伝わってきます。
このK君のような人が多数出るということは、初めからわかっていたことです。
多額の費用と時間、のみならず、自分や家族の人生を掛けて弁護士への道を選択した結果、受からなくても地獄、受かっても地獄です。司法試験に合格して弁護士になっても、就職もできず、開業しても赤字経営のリスクを背負うことになるからです。
司法改革を進める人たちに、もしも、この読者のような人権感覚(のひとかけらでも)が備わっていたら、今回のような制度改悪にはなっていなかったと思います。
「給源の多様性を確保するために法科大学院を導入するべき」との理論がいかに羊頭狗肉のスローガンであったかは、私たちが司法改革が始まった当初から申し上げていたことです。
そして、現実は、他学部出身者や社会人経験者は激減し、給源は狭まる一方です。
司法改革を積極的に進めた人たちは、このことをわかりつつ、社会を世間を欺いたのです。
これからも司法改悪を是正すべく闘っていきたいと思っています。
ご支援ご指導のほど何卒よろしくお願い申し上げます。