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司法試験に合格することの不幸

2011.10.22

 

 昨日、若手弁護士、特に若手女性弁護士と話をしました。
 
 皆さん、法科大学院出身の新司法試験に合格された弁護士です。

 私の方から特に法曹人口の話題を振るわけではないのに、自然と、法曹人口問題について話題が及びます。

 若手女性弁護士は皆さん口をそろえて「司法試験に合格したことが良かったかどうかわからない。」と言われます。
 合格すると、その後、修習期間は就職活動で修習どころではないそうです。もともとあまりにも修習期間が短くて事件のほんの一部しか見ることができず、「ちゃんとした勉強などできない」と言われます。その後も、就職戦争で精神的に疲弊し、就職できたとしても、その後の保証はありません。それどころか、先細りは目に見えています。「弁護士になれても夢も希望もない」そうです。

 これに対して、法科大学院の同級生で、所謂「三振アウト」にかかった友達は、司法試験をあきらめ、その多くが公務員や普通の会社員になるそうです。その後は、仕事は大変ではあっても、やりがいある仕事に就き、安定した収入と地位につくことができます。司法試験組みから脱落したかのように見える友達の方が「幸せ」そうだというのです。

 これら若手女性弁護士の話は、司法改革を断行したら、「こうなる」と私たちが想像していた通りそのままで、逆に少し驚きました。
 
 司法試験合格者数を減らすと「法科大学院生がかわいそう」とよく言われますが、弁護士資格をばら撒き、「夢も希望もない」弁護士にならせるべきではないように思います。
 
 

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