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2011.10.29
先日、法科大学院を卒業され、新司法試験に合格された若手弁護士の方のお話をしましたが、今日は、その続きです。
若手弁護士の方の話によると「法科大学院時代の友達が新司法試験に合格したとはしゃいでいるけど、それを見ると辛い」のだそうです。
「司法試験に合格したのは良いけれど、大変なのは、合格する前よりも合格した後だから」だそうです。
その若手弁護士達によれば「合格して喜んでいる友達に『今はうれしいかもしれないけれど、合格しても、弁護士になっても、明るい未来はないよ。こちらに来ない方が良いよ。』、そうアドバイスしたいのだけれど、喜んでいる姿を見ていると、とてもそんな悲観的な話をしてあげることはできない。」のだそうです。「だけれど、自分たちが就職に苦しんだ以上の苦しみや辛さを、その友達が受けることを具体的に想像できるだけに胸が痛む。」「だから、辛い。」のだそうです。
その若手弁護士達は、「弁護士になって、これからも一生苦しむのだったら、入り口で絞って欲しい。」と心から辛そうに言われました。
若手弁護士達の主張は、本当にもっともな主張です。
就職を断られると全人格を否定されたような気分に落ち込み、どれほど傷つくことか、推進派の弁護士達には想像すらできないのでしょうか。
「司法試験合格率を7割8割にしないと法科大学院生がかわいそうだから、司法試験合格者を激増させるべき。」などといった推進派、法科大学院関係者の方々にこの若手弁護士の苦悩の発言を聞かせてやりたいと心から思いました。
最近の弁護士は、就職先がないのがむしろ当たり前のようになっており、条件のよくない修習生は、最初から就職をあきらめて、就職活動を全くせずに、即独(即時独立)を決められるそうです。
「どうせ就職先がないことがわかっているのだから、就職活動をする時間とお金がもったいない」というのがその理由です。
本当に日本の司法は、社会は、一体全体どこへ向かおうとしているのでしょうか・・・。