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2011.11.12
法科大学院推進の弁護士の方々とお話しをしていたのですが、法科大学院推進の弁護士の話しを伺っても、法科大学院のメリットが一向に府に落ちません。
法科大学院制度は、司法を改悪するためにできたものではなく、改良するためにできた制度のはずです。
ところが、推進されている方の御意見を伺っても、TPPと同様にデメリットは次々と思いつくのですが、法科大学院制度が良いとは思えないのです。
先日の会合で法科大学院制度を推進される弁護士が言われていたのは、「法科大学院がなければ自分は受かっていなかった。」との個人的なご事情が多かったように思います。
しかし、そもそもその方々が本当に「法科大学院なくして司法試験に合格できなかったのか否か」がお話しを伺っても良くわかりませんでした。
「法科大学院の先生に大変お世話になった。」とか「仲間と一緒に頑張れた。」といったことは、旧試験制度でも良く聞かれた話です。
仮に、その方々が「法科大学院なくしては司法試験に合格できなかった」としましょう。
しかし、法科大学院制度ができたことが原因で法曹になる道をあきらめた人の数は、法科大学院ができたことにより恩恵を受けた人数の比ではありません。
また、私達は制度の問題をお話ししているのです。
「具体的な誰誰が受かって良かった」と言う話しは制度論を論ずる上では、ほとんど参考になりません。
その上、「法科大学院がなければ自分達は合格しなかったから法科大学院制度は良い制度だ。」という理論は、「自分たちのような人間が法曹になれなかったら社会は損失を被っていただろう。」という内容が暗に含まれいるような気がしてとても違和感を覚えます。
その他法科大学院制度のメリットとして言われていたのは、「プレゼンテーション能力が高まった」ということでした。
しかし、これも非常に抵抗感を覚えました。
プレゼンテーション能力が弁護士に必要不可欠な能力なのでしょうか?
同じく法科大学院制度を経て弁護士になられた若手女性弁護士が言われていたことが的を射ています。
「プレゼンテーション能力で依頼者が幸せになれるのでしょうか?なれないでしょう?!」
私も全く同感です。
弁護士にとっては、プレゼンテーション能力よりももっともっと大事な能力が沢山あるはずです。
法科大学院制度を推進される弁護士と話しをしても、法科大学院制度の必要性が私にはわからなくなるばかりなのは、本当に残念なことです。
司法改革の失敗を食い止められなかった自分の無力さを思い知らされるからです。。。