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日弁連会長選挙再選挙

2012.02.16

 

 先日のブログで、山岸憲司氏と宇都宮健児氏の決選投票が再度行われることを書かせて戴きました。
 
 日弁連会長選挙の一番の争点は、何と言っても法曹人口問題です。
 そこで、選挙公報における両者の法曹人口問題についての一部を抜粋させて戴きます。

 山岸氏;「まずは1500人まで減員することを早期に実現すべきであると考えます」「問題は、どうやって実際に減員を実現するかです。法曹人口問題について、国民が弁護士を見る目はいまだ厳しく、増員のペースダウンについてあまりに性急な主張をすれば、利用者の視点から乖離した既得権益の擁護である、との謂われなき批判を受けかねません。」

 宇都宮氏;「2011年度は最終取りまとめ案を審議し、『司法試験合格者数はまず1500人まで減員、さらなる減員は検証しつつ対処する』という具体的な数を打ち出す内容で」「これが基本的に承認された場合は、その理由にもあるように『相当数の弁護士会及び連合会が合格者数を1000人にすべきだと決議している事を踏まえ』さらなる減員についての検討に取り組みます。」

 両者の最も大きな違いは、1000という数字を意識しているか否かにあります。

 山岸氏は、1500人と言う数字の直後に「あまりに性急な主張をすれば利用者の視点から乖離した既得権益擁護」との批判を受ける等と記載しており、その前後の文脈からして、「性急な主張」というのが「1000人」を意味することは明らかでしょう。
 そもそも1000人のどこが「性急な主張」なのでしょうか。
 
 昨年の一括登録日における未登録者数は400名を超えました。来年は、650名を超えるでしょう。
 未登録者の中には、即時独立弁護士(「即独」)或いは事務所内独立採算弁護士(「ノキ弁」)は含まれていません。
 毎年、弁護士になれない人、就職先の見つからない人が累積しています。
 就職のない弁護士を生み出すと言うことは、すなわち、オンザジョブトレーニングを十分受けられない弁護士が世に出ることにほかなりません。
 また、就職先がないということは、すなわち、法曹に対する需要がないことも意味しています。

 弁護士の供給過剰によるしわ寄せは、市民に来ます。

 今年、司法試験合格者数を1000人にしてももう遅いのです。
 司法試験合格後、1年間の修習期間がありますので、実際に供給が減るのは、来年以降になるからです。今年、司法試験合格者数を1000人にしても、今年弁護士になるのは、昨年の2000人の合格者だからです。
 
 宇都宮氏に対する失望の声は良く伺います。
 
 しかし、宇都宮氏の意思が仮に1000人であったとしても、簡単に実現できるわけではありません。過去において自分の意に沿わない委員会を廃止したり、或いは、理事会の承認なくマスコミに自分の意見を発表して、事後、弁護士会の行動を規制したとされる某会長のような非民主的な行動を採ることができるのならいざ知らず、民主的な手続を経て目標を実現するのは実に大変なことなのです。
 
 毎月毎月、これほどまでに日弁連法曹人口政策会議で闘っているのに、我々の努力を無にするような提言案が出されてしまうのですから、間違いありません。
 
 宇都宮氏の政策の記載のし方からして、1000人がきわめて強く意識されていることは確かでしょう。

 再投票には弁護士の良心が試されています。
 
 是非とも投票に行き、私達平会員の意思を示しましょう!

 

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