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再度の立候補?

2012.03.19

 

 日弁連会長選挙は、再選挙になりました。

 再選挙の日程は、「4月27日」です。

 3月14日に行われた選挙は決選投票でしたが、今度は「再選挙」、すなわち、一から仕切り直し選挙ですので、今度は宇都宮氏や山岸氏が立候補しないこともあり得ますし、上記2名以外の方が立候補することもできます。

 このような事態は前代未聞です。

 2年前の日弁連会長選挙でも1度目の選挙では決着がつきませんでしたが、決選投票で決まったからです。
 今回はその決選投票でも決まらず、そのため「再選挙」になりました。
 
 両名の敗因分析は、それぞれの陣営で行っておられることと思います。
 私なりの分析で恐縮ですが、山岸氏が東京三会で圧倒的支持を得ていたのにもかかわらず、単位会の3分の1以上を押さえられなかったのは、明らかにこれまでの派閥順送り人事に嫌気が指していることの表れだと思います。
今回の司法改悪を進めきた人達が会員からの支持を得られないのは、当然と言えば当然の結果であると思います。

 他方、現職の宇都宮氏が過半数を抑えられなかったのは、この2年間での成果が会員に実感できていないからだと思います。宇都宮氏は、2年前の選挙で「司法試験合格者数1000人~1500人との単位会の声に耳を傾け」との公約を掲げました。ところが、この2年間で宇都宮氏の上記公約が守られていないのではないかとの絶望感が会員にはあります。
 つい先日、「更なる減員」にも踏み込んだ「まず、1500人」という「法曹人口政策に関する提言」
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2012/opinion_120315.pdf が宇都宮現執行部の下、日弁連で出されました。
 しかし、2年前とは事情が全く異なります。「1500人」では「焼け石に水」なのです。今回、法曹人口政策に関する提言の中に「1000人」が織り込まれていれば、宇都宮氏の再選が果たせていたと思います。

 宇都宮氏と山岸氏が再出馬するかどうかはわかりませんが、おそらく両名とも再度出馬されると思います。

 いずれにしても3月14日の決選投票の低さが弁護士自治の崩壊を表していることは明らかでしょう。

 山岸陣営からは、3分の1以上の単位会で勝たなければならないという選挙規定に批判もあるようですが、単位会の3分の1でさえも勝てない候補が全国の代表と言えるはずがないことは先日のブログで申し上げたとおりです。過半数の単位会などと言っているわけではありません。3分の1の単位会なのです。全国を代表する会長を選ぶのですから、その程度のハードルを課すのは当然のことではないでしょうか。

 実際、宇都宮氏がきわめて僅差で勝っている地方もたくさんありました。
 ところが、山岸氏陣営は、その僅差の票数でさえ覆すことができませんでした。
 
 2月10日の投票日から3月14日の決選投票まで1ヶ月以上あったわけですから、山岸陣営としては、その間に僅差で負けていた地方を重点的に掘り起こす選挙活動をしていたであろうことは想像に難くありません。

 それでも山岸氏がほんの数単位会における僅差を覆すことができなかったのです。
 これは、ある意味すごいことです。

 これから我々弁護士がどこに向かっていくかはわまりませんが、我々が歴史の転換期の真っ直中にいることだけは間違いなさそうです。

  
 

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