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法科大学院の失敗

2012.05.25

 

 本日は、日弁連定期総会で多くの弁護士とお話をする機会がありました。

 その中で法科大学院で教鞭をとっておられる方とも話をしたのですが、その方によると「法科大学院生で司法試験に合格させて法曹としてやっていけるだけの答案は1学年で1人もいないことが多く、全員に不可を出すわけにもいかないので困る」のだそうです。でも、その方の教える法科大学院では毎年半数程度の人が司法試験に合格されるので「本当におそろしい。」とのことでした。

 弁護士採用試験も実施されるそうなのですが、採用試験をしても同様のようで、「以前は司法試験の成績500番内の弁護士なら何とか形になってはいたが、今は司法試験の成績が500番内の弁護士でも全く形にならない。レベルが年々落ちているという話は全くその通りだと思う。答案を見ていると実感する。」とのことでした。

 その弁護士によれば「司法試験合格者数は問題ではなく、質の方が問題である。今なら司法試験の成績で100番か200番くらいの人までしか受からせてはいけないのではないか。」とも言われていました。

 その弁護士曰く「法科大学院の志願者は年々激減している。競争率を2倍以上にするべきといった日弁連の提言案に言う要件を満たす法科大学院はほとんど存在しない。だから、日弁連の提言案を賛成して、これを厳格に適用させれば、法科大学院は早く潰れますよ。」とのことでした。

 法科大学院の改善に関する提言案には、法科大学院制度反対の立場からは反対すべきというのが筋道だと思っていたのですが、確かに日弁連の法科大学院の改善に関する提言案は、法科大学院制度を潰す方向に働きかねない内容です。

 よって、法科大学院制度反対の立場からは、むしろ歓迎すべき提言案なのかもしれません。
 
 日弁連の意見書がそれほど実現可能性が高ければという留保付きではありますが・・・。


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