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2012.06.02
「弁護士だって顧客開拓」「お堅いイメージCMで払拭」「中小企業にお試し相談窓口」と題する記事が読売新聞の夕刊に出ました。http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120602-OYO1T00462.htm
大阪弁護士会が今年5日に「中小企業支援センター」を新設するそうで、そのための宣伝としては、紙面も大きく取ってもらっていますし、これ以上の取り上げ方はないというくらいの代物です。
記事にもありますが、大阪弁護士会は、これまでも豊富な資金力を武器にテレビCMやラジオCMを行っています。また、ホームページには若手弁護士に囲まれた会長の宣伝を毎年行う等こと宣伝に関して非常に積極的です。それにしても今回の報道ほど大々的に宣伝してもらえれば、宣伝としては大成功と言えるでしょう。
しかし、司法改革を推進した人たちは「弁護士が少ないために泣き寝入りになっている人が山ほどいる。」、すなわち、「需要があるから弁護士を増やすのだ」と言ってきたのです。
先に供給を増やしておいて、その後、需要を掘り起こすというのは、あまりにも話が違うでしょう。
しかも、記事の最後には、弁護士の業務拡大の行く先として議員秘書や自治体職員への転身まで視野に入れているというのですから、それはもう弁護士としての需要とは全く関係のない話です。
いい加減「弁護士の需要はない。」「業務拡大はできなかった。」と素直に認めたらいかがでしょうか。
この手の業務拡大の観点は、市民目線が入っていないことが最大の欠陥です。
果たして弁護士がどうにか仕事を掘り起こせば、社会が良くなるのでしょうか?
市民の人権擁護と社会正義、その実現手段として必要不可欠な「弁護士自治」がどうなるのかが一番重要なのです。
なりふり構わない弁護士の業務拡大路線には、弁護士の社会的責務が尽くせるか否かという一番重要な視点が欠けています。
弁護士がさえ生き残れば良いというのであれば、それこそが「弁護士のエゴ」と言えるでしょう。