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2012.06.03
昨日も書いたように司法改革は、「弁護士が足りないが故に泣き寝入りを強いられている人達がいる。『法の支配』を社会の隅々にまで行き渡らせるためには弁護士の激増が必要」とのふれこみで行われました。
平成12年当時、司法制度改革審議会が行った市民アンケートでは、「弁護士が足りない」との統計は出ませんでした。私は、当時から、司法制度改革審議会のアンケートを示して方々で「弁護士が足りないがために泣き寝入りを強いられている人達がいる等という統計は存在しない。司法制度改革審議会のアンケートを見て下さい。」と言ってまわりましたが、どなたも耳を傾けてはくれず、長年「オオカミ少年」扱いされてきました。
私は消費者保護委員会の委員長なれましたが、それ以外の要職につくことはありませんでした。法曹人口問題PTに至っては、希望を出していたのにもかかわらず、また、自分で言うのも何ですが、既に他の弁護士会で法曹人口問題の講演をさせて戴き、兵庫県弁護士会でも10年近く法曹人口問題についての冊子を配る等名前も知られるようになっていたのに、委員にさえならせてもらえませんでした。委員会の人数が25人以下と会規で決められ、しかも、その25人全員が決められていたのです。そのため、私が法曹人口問題PTの委員になるためには、常議員会で会規改正をしなければならなくなりました。そこで、法曹人口PTの人数を改正して、私を法曹人口問題PTの委員にすることを常議員会で2度議題にして戴き、100名近い会員の署名が瞬時に集まり、多くの会員の後押しのお陰で何とか私が法曹人口PTの委員になることができました。
副会長も今回、4人の定数のうち3名しか、なり手がいなかったことから、私が副会長になることができましたが、欠員がいなければ私が副会長になることはありませんでした。副会長や常議員の人選は会派(派閥)が決めるので、私のように派閥に睨まれた人間が常議員や副会長になるには、選挙に持ち込む以外方法はありません。
そこで、同じ選挙に持ち込むならば、会長選挙の方が良いと思い、会長選挙に出ていました。
ところが、会長選挙の度に「副会長経験がない武本さんを会長にすべきではない。」と言われました。私が副会長になる芽を潰していた方々に限って、このようなことを喧伝したのです。
私が黙っているからこそ、弁護士の中でこのような不正義が蔓延るので、これからはむしろ口に出すべきではないかと思ってはいますが、言い出せばキリがありません。
このことからおわかりのとおり、弁護士の世界にも法で裁くことのできない、目に見えないいじめや嫌がらせは存在します。
弁護士が業務拡大をして社会の隅々に行き渡ったからと言って、必ずしも世の中が良くなるわけではありません。
「弁護士が社会の隅々に行き渡れば、世の中が良くなる。」というのは、弁護士のエゴであり、奢りであると私は思います。