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2012.08.05
平成24年8月5日付で時事通信が「政府は5日、司法試験合格者数の目標を現行の年間3000人から2000人に引き下げる方針を固めた。これまで法曹人口の拡大に取り組んできたが、弁護士の過剰が問題となり、目標値の引き下げが必要と判断した。
政府は今月下旬にも、法相を中心とする関係閣僚会議と下部組織の有識者会議を設置する。有識者会議で司法試験合格者数の適正規模を検討するが、法務省は2000人とする案を提示。定員割れなどの問題を抱える法科大学院の統廃合の是非についても協議し、今年度末までに結論を取りまとめる予定だ。」と報道しました(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012080500189)。
今でも年間司法試験合格者数は2000人強でしかありません。
年間司法試験合格者数3000人は一度も実現したことがないのです。
それにもかかわらず、就職難によるOJT不足等社会的に種々の弊害が出てきています。
なお、弁護士供給過剰による社会的弊害のうち「就職難によるOJT不足」というのはわかりやすい一例に過ぎず、本質的な社会的弊害は必ずしも声高に公にできるものではありません。公にすること自体が社会的不安や第三者を傷つける等弊害を広げかねないからです。
しかし、司法試験合格者数2000人でも確実に弁護士供給過剰による社会的弊害が急激に深刻化しています。
法科大学院志願者も急激に減少しています。
年間司法試験合格者数2000人のままでも法曹志願者が激減しているのです。
この点、増員派は、「合格率が低いから志願者が減る」等ということを未だに言っておりますが、旧試験の時代に合格率が常に2%程度であったにもかかわらず、受験者数がほぼ右肩上がりに増えていったのと比較すれば、上記理由が非論理的かつ非実証的であることは明白です。
司法試験合格者数目標を3000人から2000人に引き下げたところで、「焼け石に水」ということに変わりないのですが、「3000人」の看板を下ろしたこと自体に大きな意義があると思います。
今年3月に日弁連が「司法試験合格者数1500人、更なる減員も」との提言を打ち出していますが、現実の方が先に進んでいくと思います。