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2012.08.26
昨日、「保証被害の根絶をめざして」と題する近弁連主催の夏期研修会に参加して参りました。
近弁連の夏期研修会は、毎年参加させて戴いておりますが、昨日の研修は、これまでの夏期研修にも増して素晴らしい内容でした。研修会は1時から5時までの長丁場だったのですが、思いの外短く感じられました。
「保証廃止が論点となった日ー弁護士会からの問題提起が意味するもの」との早稲田大学大学院法務研究科教授の山野目章夫氏の基調報告も素晴らしかったのですが、その後、若手弁護士による発表もとてもフレッシュで中身の濃い発表でした。また、パネルディスカッションの内容もパネリストの知識や見識の高さが良く出ている素晴らしいものでした。
残念だったのは、参加者が非常に少なかったことです。
特に若手弁護士の少なかったのにはとても悲しく感じました。
10年間で弁護士は倍増し、若手弁護士は毎年6倍ずつ増えている背景事情からすれば、参加者の微減は、すなわち、参加者の激減を意味しています。
もちろん様々な意味で余裕がなくなっていることはわかるのですが、人権擁護のための立法提言は弁護士が果たすべき社会的使命の根幹なのですから、もう少し多くの弁護士に参加してほしかったです。
シンポのパネルディスカッションの中では、司法修習生の貸与制の保証人の問題にも若干ではありますが、触れられました。
司法修習生の貸与には、保証人をつけなければならないことが裁判所の司法修習生に関する規則の中に規程されています。
そして、司法修習生が2人の自然人の保証人をつけることができない場合、オリエントコーポレーションという会社の機関保証をつけなければならないのです。
保証被害は、司法修習生という私たちの後輩にさえも忍び寄っている現実を目の当たりにすると、本当にやりきれません。
今年の司法修習を辞退した人は60人に上ったそうです。
法科大学院を出て司法試験に合格するまでの間に多くの人が相当額(多い人で1500万円)の「奨学金」という名の借金を抱えています。
なのに、司法修習時代に更に300万円の負債を更に背負い、弁護士になっても就職先はなく、独立したとしてもやっていける見込みがないのですから、司法修辞退者が増加するのは当然のことです。
多額の借金を抱えて路頭に迷う後輩弁護士の心情を慮ることができれば、司法改革に対してどのような態度で望むべきかは自ずと明らかとなってくるはずだと思います。
今回のような素晴らしい研修会に参加する人が少ないということは、弁護士として人権擁護を果たす機能の低下、ひいては弁護士自治の機能不全を意味しています。
早く何とかしなければなりません。
最後になりましたが、近弁連の夏期研修会の準備に奔走された近弁連内の消費者保護弁護士におかれましては、本当に御苦労様でした。
皆様のご準備の周到さには頭が下がる思いを致しました。
有り難うございました。