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共同アピール文(続き)

2013.01.15

 

昨日の共同アピール文の続き

3 会内民主制、弁護士自治、団結の危機
   立法や行政等多数決支配から零れ落ちた少数者の人権を擁護する使命を負った日弁連は、少数者の、或いは地方における諸事情に配慮することこそが、その使命を最も全うすることにつながる。「3分の1要件」をはずすことは、先人の英知を捨て去り、日弁連の団結と弁護士自治を危うくする。
現在、弁護士会は会員に対する求心力を弱め、かつては80%を超え、最近まで70%以上であった日弁連会長選挙の投票率が約50%に落ち込んでいる。今後も、一般の会員の意識に合致し、投票したいと思う候補者がいない、即ち「民意」の受け皿が存在しないことが続けば、更に投票率を低下させる。
今回の制度改変が行われることになれば、大規模単位会の派閥が、一般会員や地方会の意向を尊重して自らの政策を改める動機と機会を失い、中央集権的体制を強めることになる。政策の譲歩、変更のシステムを失った中央集権的体制は、弁護士会と会員とをますます乖離させ、会内民主制の形骸化、会員自身の自治意識の希薄化による弁護士自治の空洞化、無力化をもたらす。更に、弁護士自治の根幹を形成する弁護士個々人の自律性を破壊し、内外からの弁護士の統制を容易にする危険性を孕んでいる。

 4 今回の改定手続の不当性、連合体の民主制のあり方の検討
   今回の日弁連会長選挙規定の改定問題は、手続きにおいても非常に拙速で議論が尽くされていないことが明白である。また、日弁連の単位会への諮問は、再投票時に3分の1要件を撤廃するA案か、再々投票時に3分の1要件を撤廃するB案しか選択の余地がないかのごとき恣意的な諮問が行われており、きわめて誘導的で手続的にも非常に問題がある。
今後、まずは、意見対立の原因及び制度変更の要否の問題から十分に議論すべきであり、会長選挙制度の改正の選択肢としては、決選投票で「3分の2」近くの単位会の支持を受けた候補者を当選とする制度、期限の都合から引き分けの戦いとして抽選をする制度、現行の代議員枠のように単位会に一定の票数を割り振るなど規模の大小を調整する制度など、様々な選択肢について比較考量し、各種の連合体の選挙について十分な調査・検討を加え、全国的な議論を尽くした上で行うべきである。
                                              (以上)

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