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3分の1要件撤廃見送り

2013.01.19

 

 先日18日の日弁連理事会において日弁連会長選挙におけ最多得票者が52単位会のうち3分の1の単位会で多数を獲得する必要があるとのいわゆる3分の1要件撤廃の規定改正は見送られることが報告されたようです。
 

 日弁連が単位会に意見照会されたのは「2回目の投票には適用しない案(A案)」、あるいは、「3回目の投票に適用しない案(B案)」でしたが、多くの、というよりもほとんどの単位会がA案にもB案にも反対で、日弁連会長選挙規定の改正自体に反対だったようです。

 もし、3分の1要件を撤廃することになれば、数字上は東京と大阪の会員だけで日弁連の会長を決定できることになるわけですから、地方単位会からすれば、反対するのが当たり前といえば、当たり前でしょう。

 地方単位会における会員の平均的会務負担は、東京大阪の会員の平均的な会務負担の割合とは格段に重いです。
 
 たとえば、日弁連の委員会は、東京で行われ(地方でテレビ会議での参加も可能となってきましたがテレビ会議では限界があります。)、弁護士会の人権大会や業務改革シンポ等事業は、52単位会の持ち回りとなっています。その他日弁連からの委員会設置・議員要請等々様々な要請や意見照会が降ってくるのですが、各単位会の会員数が少なく、動ける会員は極めて限られ、各要請や意見照会に対応する委員会がないことも多いのですが、これら対応体制があるとないとにかかわらず対応を迫られます。
 他方で、事務総長・事務次長・日弁連理事は、東京や大阪の会員が多くを占めています。
  
 このように地方の会員は、負担が重く、日弁連の運営にかかわる権限は少ないのです。

 日弁連会長選挙における3分の1要件というのは、地方単位会のささやかな抵抗(拒否権)なのです。

 ただ、今後とも、3分の1要件撤廃の議論は再三再四にわたり持ち上がるでしょうから、注視し続ける必要があると思います。

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