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2013.02.23
本日(2月23日朝刊)の朝日新聞に下記記事が掲載されました。
記
「下村博文文部科学相は22日の閣議後会見で、司法試験の合格者数を年間3千人程度としている政府目標について、「間違っていたのではないか。政府側も謙虚に反省するべきところに来ている」と述べ、人数を減らす方向で見直すことが必要との考えを明らかにした。」(中略)
「下村文科相は「弁護士になったけど仕事がない、生活していくのが大変という現状がある」と指摘。募集停止中を含め全国に74校ある法科大学院については「3千人合格を前提としてつくったため、経営が非常に困窮しているところが増えている」と問題視した。」
「政府は昨年8月から有識者らによる「法曹養成制度検討会議」」「で議論しており、今春にも素案をまとめる予定。」
(引用終わり)
法務省でなく、最高裁でもなく、文科相が発言したことの意義は大変大きいと思います。なぜなら、年間司法試験合格者数3000人と言うのは、法科大学院制度温存のために不可欠の施策といってもよく、法科大学院制度を所管する文科省の大臣の発言は、自ら法科大学院制度そのものの破滅を宣告したに等しいからです。
また、下村文科相の上記発言は賞賛に価します。
「間違いを認め反省する」ということを口に出すことのできる人がなかなかいないからです。
私達は、これまで弁護士会に対して散々「我々も間違ったのだ。過ちを認め、反省すべきである。」「私は、この司法改革に初めから一貫して反対し続けたが、反対の方向に舵を切らせることができなかった以上、進めてきた人達と責任は同じである。進めてきた人だけに罪をなすりつけるような真似はしないので、一緒に反省、謝罪し、大きく反対に舵を切ろうではないか。」と言い続けてきました。
しかし、私の上記呼び掛けに対して司法改革を進めてきた人達は誰も耳を傾けません。
それどころか、「(誰も個人攻撃などしていないのに)武本さんが、そんなことを言うから、感情的反発を受けて武本さんの活動が上手くいかないのだ。個人非難はすべきではない。」等必ずといって良いほど反発されました。
その上で「司法改革は、あくまでも間違っていなかった。ただ、あまりにも急激すぎたために歪みが生じてしまっただけである。スピードダウンして、その歪みをさえ修正すればよいのだ。」と開き直られる始末ですから、あきれて物が言えません。
長年言い続けていることですが、間違ったことを間違ったと認めるのでなければ、舵を大きく反対に切ることはできないのです。
論語にも「子曰、過而不改、是謂過矣」とあるとおり、過ちを改めないことが過ちなのです。
既に遅すぎるとも言えますが、弁護士会も間違いを認め反省し、そして一丸となって大きく舵を反対に切る時が着ているのではないでしょうか。