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2013.03.13
「ロースクールを考える 21世紀の法曹養成と法学教育」(成分堂)鎌田委員執筆部分で、特に注目すべき部分は下記の部分です。
記
(引用はじめ)
「すべての法学部は、積極的にであれ、消極的にであれ、ロースクール構想に載らざるをえないことになる。基本的にはロースクール構想に反対である大学も、そのほとんどが、もしこの構想が実現するならロースクールを設置せざるをえないと考えている。」
「ロースクールを新設するためには文部科学省の認可を得なければならないし、設置・運営にかかる膨大な経費等を考慮すれば大幅な国庫補助も期待しなければならなない。」
「ロースクール構想に反対の意見を表明することによって、損をすることは大いにありうるが、得をすることは一つもない。こうして、全国各地の大学法学部は、好むと好まざるとにかかわらず、その生き残りをかけて、あるいはさらなる発展を求めて、何はともあれ他に先んじてロースクールの設置に向けた積極的な姿勢を示すことを余儀なくされ、反対の意思を表明する大学は一つもでてこないこととなったのである。しかし、こうした大学側の対応は、もっぱら大学の都合を最優先に考えたものであり、国民にとって何が最善かとか、法律学と法学教育の将来像はいかにあるべきかという観点から慎重に考えて出された結論とはいうことができない。」
(引用おわり)
私も上記鎌田委員の発言内容に全く同感です。
本来、ロースクール構想に反対する大学関係者であっても、ただ単に大学の都合で賛成せざるを得なかっただけで、法曹養成のあり方や法律学の将来像など考えてロースクール構想ができあがったものではありません。
大学関係者がロースクール構想に賛成しているのは、あくまでも大学側の都合を考えてのことであって、将来の日本の司法制度や法律学の将来を真摯に考えれば、ロースクール構想に賛成などすることはできないはずなのです。
鎌田委員には、大学側の都合を優先させるのではなく、法律学や法曹養成の将来像を純粋に考えていた当初の意見を思い出して戴きたいと思います。