最新情報詳細 一覧へ

< 一覧へ

法曹養成検討会議中間的取りまとめに対するパブコメ

2013.05.11

 

 私が投稿したパブコメの続きは下記のとおりです。

                  記

 3.「第3の1法曹養成制度の理念と現状(1)プロセスとしての法曹養成制度」について
【意見】 
   法科大学院修了を司法試験の受験資格とすることから撤廃すべきである。
【理由】
   法科大学院修了を受験資格とすることになり、法曹志願者にとっては経済的負担や法曹になれるまでの時間が一律的に増すことになった。その結果、法曹志願者は激減し、給源の多様性は失われつつある。法科大学院修了要件は、法曹志願者にとって参入障壁にほかならない。

4.「第3の1(2)法曹志願者の減少、法曹の多様性の確保」について
【意見】
   法曹志願者減少の主な要因は司法試験合格率ではなく、法科大学院修了を受験要件としていることにある。
【理由】
   旧司法試験では、合格率が2パーセントでも法曹志願者は増加し続け、一時期司法試験志願者数は5万人を超えるに至った。法科大学院入学者数は激減し続ける一方で、予備試験受験者数は年々増加している。統計的事実を虚心坦懐に検討すれば、法科大学院の修了要件が法曹志願者激減の元凶であることは自ずと明らかである。法曹志願者を増やすには、まずは、法科大学院修了を受験資格要件から外すべきである。中間的取りまとめは、あくまでも法科大学院の受験資格要件を前提とした偏頗な検討に終始しており不合理である。

5.「第3の1法曹養成制度の理念と現状(3)法曹養成課程における経済的支援」について
【意見】
   司法修習生に対する貸与制を廃止し、給与制を復活させるべきである。
【理由】
   法曹養成は、我が国の司法制度の人的インフラ整備であり、市民の人権擁護機能の観点から充実した法曹養成は国の責務である。司法修習生の修習専念義務を外せばよいと言う問題ではない。

6.「第3の2法科大学院(1)教育の質の向上、定員・設置数、認証評価」について
【意見】
   法科大学院制度をあくまでも前提としているところが間違っている。
【理由】
   法曹養成の中核はあくまでも司法修習制度である。司法試験受験要件から法科大学院修了を外し、司法試験合格者数を激減させて法曹としての魅力を復活させれば、法曹志願者は増加する。統廃合や定員数等については、大学自治の観点から各法科大学院の自主性を重んずるべきである。

7.「第3の3司法試験(1)受験回数制限」について
【意見】
   受験回数制限は撤廃すべきである。
【理由】
   受験回数制限は、法科大学院制度存続のため以外に根拠が存在しない。
   法科大学院教育が機能していれば、5年以上経っても教育効果が薄れることはなく「法科大学院教育の効果が薄れないうちに司法試験を受験させる」などと言った議論には根拠がない。仮に、5年で教育効果が薄れるというのであれば、法科大学院教育の方をこそ見直すべきである。

8.「第3の3司法試験(3)予備試験制度」について
【意見】
   予備試験制度の廃止や間口を狭めることには反対である。
【理由】
   給源の多様性を高め、法曹志願者を増加させるためには、むしろ予備試
験制度の間口を広げるべきである。

9.「第3の4司法修習(1)法科大学院教育との連携」について
 【意見】
  法曹養成は司法修習制度において一元的に行われるべきである。
 【理由】
  法科大学院教育は、法科大学院により内容及び質等様々であり、統一的な
法曹養成は不可能である。法曹倫理等実務科目を法科大学院で行っても受験に合格することが関心事である学生には負担でしかない。実務科目は現場を見た上での実地訓練における教育でなければ、教育効果を上げることは難しい。

10.「第3の4司法修習(2)司法修習の内容」について
 【意見】
   前期修習を復活させるべきである。
 【理由】
   実務修習につく前に前期修習を行うことは、実効性ある実務修習を積む
上では必要不可欠である。

以上

pagetop