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2013.06.06
法曹養成制度検討会議が募集したパブコメについて3,119通ものパブコメが寄せられたそうです(http://www.moj.go.jp/content/000111349.pdf)。
それにしても、パブコメの紹介の仕方が杜撰です。
というよりも、虚偽のまとめ方に近いのではないかとの疑惑が生ずるほど酷い紹介の仕方です。
私の知る限りパブコメでは、中間的取りまとめに対して批判的な意見が大勢を占めていました。なのに、法曹養成制度検討会議の事務局が取りまとめた内容を拝見すると、中間的取りまとめに対して賛同する意見が必ずと言ってよいほど先に書かれ、記載内容も詳細です。反対意見は、必ず後の方に書かれ、あっさりとした紹介にとどまっています。分量的にもあたかも中間的取りまとめに対する賛成意見が半分程度ないし多数を占めているかのような印象を受けます。
事務局のパブコメの紹介は、本当にパブコメの内容を適正に反映した内容となっているのでしょうか?私には、そのようには到底思えないのです。
そもそも法曹養成制度検討会議は、パブコメを一体全体何のために募集したのでしょうか。真摯に国民の声に耳を傾ける気がもともとないのなら、もともとパブコメなど募集すべきではないと思います。
同じ内容の政策であっても①パブコメを募集してその結果を政策に反映させないことと②パブコメを募集しないで政策を決めることとを比較すれば、前者の方がより悪質であると思います。
なぜなら、パブコメを募集していかにも国民の声を反映した政策であるかのごとき体裁を装う分、前者の方がより詐欺的であるからです。
総務省のパブコメの紹介の仕方(http://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/38572_1.html)と比較していただければ、いかに法曹養成制度検討会議の事務局の取りまとめが杜撰かがお分かり頂けるかと思います。
3,119通ものパブコメをまとめる時間がなかったのは分かります。
原文通りの紹介を会議の資料にしたのでは膨大な量になり、物量的に無理があるのも分かります。
しかし、それらを勘案してもある程度パブコメの意見構成を中立公正に反映させた紹介にすべきではないでしょうか。
また、パブコメを募集した以上は、パブコメの意見を反映した座長案にすべきです。
たとえば、司法修習生の貸与制を前提にした座長案になっていますが、司法修習生の貸与制に対しては反対の意見がパブコメの大勢を占めていたはずです。私の周りで司法修習生の貸与制に賛成する人が全くと言ってよいほど存在しないからです。
勿論少ない可能性ではあると思いますが、事務局のまとめがパブコメを中立公正に反映したまとめ方である可能性がないとは言えません。
そうであるかどうかは、総務省のパブコメの紹介のようにほぼ原文のままの紹介をしていただかないとわかりません。
もし、パブコメを無視した座長案であるとするなら、これほど国民を愚弄した政策や手続きはないと思います。
有識者委員の大幅な入れ替えについて言及する意見が紹介されていますが、もし、パブコメを無視するような座長ならば、真っ先に座長が解任されるべきでしょう。
このような疑念を払拭するためにの、まずは、法曹養成制度検討会議は、パブコメの原文をすべて公開すべきだと思います。