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2014.10.05
「法科大学院を司法試験の受験資格要件から撤廃すると、法科大学院の存在意義はあるのか。」と問われることがあります。
これに対しては、「それでは、法科大学院を司法試験の受験資格要件としなければ、法科大学院の存在意義はなくなるのですか。」と問いかけたいと思います。
もし、司法試験の受験資格要件とし続けなければ、法科大学院の存在意義がなくなるというのであれば、法科大学院の存在意義は予備校とあまり変わらないことになるのではないでしょうか。
不思議なのは、この問いかけが法科大学院制度を擁護される方から出てくることです。
法科大学院を出れば立派な法的素養が身に付き、企業や国際社会で活躍するための教育が法科大学院が行われていれば、司法試験の受験資格要件とする必要はないでしょう。実際、法科大学院では司法試験受験指導は行われないのですから、法科大学院教育と司法試験受験とはもともと関係性が薄いはずです。
法科大学院を受験資格要件から外すべきと言うと、次に言われるのは、「法科大学院制度が潰れる。」等です。
司法改革は、一体全体誰のための改革なのでしょうか。
司法改革の方向性は、どうしたら司法制度が良くなるかといった観点からのみ検討されるべきです。法科大学院制度のための司法改革であってはありません。
司法改革を進めた方々は、「弁護士を増やせば競争で自然淘汰され良い弁護士が残る。」「弁護士が食べられなくなったからと言って知ったこっちゃない。」と言われました。
自由競争がそんなに素晴らしいものであれば、法科大学院も受験資格要件として強制しなくても存続し続けるはずではないでしょうか。