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2015.09.09
昨日、司法試験の合格発表がありました。
合格された方、おめでとうございます。
本当にご苦労様でした。
「これでやっと未来への扉を開けることができる」と安堵と希望に満ちた気持ちで一杯なのではないでしょうか。
目標を達成したこと自体で、自分の今後の活動にどれほど自信がつき力になるか分かりません。
司法試験合格を今後の自分の活動の糧にしていって戴ければと思います。
ただし、大変残念なことに、明治大学法科大学院の憲法の教授の司法試験漏洩問題発覚の報道がされました。
これはゆゆしき問題です。
司法試験に対する信頼、法曹に対する信頼、そして、法科大学院に対する信頼を裏切る行為であり、ひいては司法制度に対する信頼をも毀損する行為だからです。
しかも、法科大学院の教授が司法試験を漏洩したとの報道は、今回が初めてではありません。
平成19年に慶応大学の法科大学院に在籍する司法試験考査委員が行政法、民法、刑事訴訟法、刑法についての司法試験問題を漏洩していた疑いがあることが報道されました。
10年も経たないのに2件は多過ぎると思います。
戦後70年間のうち、司法試験問題が漏洩されたなどということは寡聞にしてこの2件しか私は知りません。
これには構造的な問題があると思っています。
法科大学院は司法試験合格率が高くなければ、入学者は増えません。補助金もカットされます。
司法試験合格率の良い、いわゆる法科大学院上位校でさえ、志願者数・入学者数は共に減少しています。
上位校ではない私学が並々ならぬ危機感を抱いているであろうことは想像に難くありません。
そもそも法科大学院の創設自体に無理があったのだと思います。
大した議論も準備もせずに法科大学院をきわめて短期間のうちに創設し、莫大な公費を費やし、借金まみれの学生を生み出し、その結果、法科大学院志願者数・入学者数は激減し、学生募集停止校が相次いでいます。
12年のうちに74校中、実に29校が学生募集の停止を公表しているのです。
今一度原点に立ち返って法曹養成制度を抜本的に改革しなければ、どうにもならないところにまで来ているのだと思います。