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2015.09.21
明治大学法科大学院の青柳幸一教授の司法試験漏洩問題の続報が流れています。
「「考査委員の直接指導を受けないなんて、1年を棒に振ったね」。明治大学法科大学院の男子学生(24)は昨年4月、入学者を招いた懇談の場で青柳教授からこんなことを言われた。」「司法試験の考査委員の問題意識を探ろうと、委員を長く務めていた青柳教授の授業を取ろうとする学生は多かった。」(民有新聞)
「ことしの司法試験で、教え子に試験問題を漏洩したとして告発された、明治大学法科大学院の元教授が、ほかにも、試験の2日前の授業の中で、学生に対し試験問題の内容を伝えていたことが、NHKが入手した授業の記録などから明らかになりました。」(NHK)
昨日の報道番組で、某弁護士が「制度の問題とかいろいろと言われていますが、この問題は青柳教授の個人的色彩が大きい。」旨の発言をしておられました。
勿論、この教授の個人的色彩が関係することは確かでしょう。
現状の制度でも試験の問題を漏洩しない法科大学院教授はたくさんおられるからです。
しかし、ことは司法制度全体の信頼の問題なのです。、
この12年という短期間に試験漏洩問題が2度も起こったことは重く受け止めるべきだと思います。
「二度あることは三度ある」と言います。
青柳教授の個人的問題に矮小化して制度の問題から目を背けるべきではありません。
2度も試験漏洩問題が起こった以上、今度こそは「個人の問題」などと言って本質から目をそらすことなく、真摯に受け止めて再発防止に務めて戴きたいと思います。
上記民有新聞その他の報道内容によれば、青柳教授は、司法試験漏洩を行うであろうことを学生に隠さないどころか、むしろ積極的に示唆していた可能性さえあるようです。
平成19年に起きた慶応大学法科大学院による司法試験漏洩問題を制度の問題として、きちんと調査し、再発防止に努めていれば、今回のような問題が起こらなかった可能性は十分ありました。
そもそも司法試験考査委員の職務は利権に結びつきやすい職務です。
司法試験考査委員を務めていると、学生は必ずと言っていいほどその教授の書いた本を教科書として購入します。
司法試験合格者が多ければ多いほど、司法試験を受ける人が多ければ多いほど司法試験科目の教科書は売れるでしょう。
ちなみに、司法改革を進め、司法試験合格者3000人を強く主張していた某教授が自らが行っている科目を司法試験の科目にするよう何度も上申していたことはつとに有名です。
このような利権と結びつきやすく、誘惑の多い考査委員については、「人」に頼るのではなく、法科大学院の教授を考査委員から排除するとか、法科大学院の補助金を司法試験合格率で絞らない、法科大学院の修了要件と司法試験を排除して法曹資格と法科大学院との関連性を断ち切る、考査委員の期間を長期化させない等々制度として不正が行えないようにしておく必要があると思います。