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『若手弁護士残酷物語』の反響

2016.02.27

 

 先日、若手弁護士残酷物語と題するブログを書いた後、いろいろなところから反響がありました。

 若手弁護士の方からは「カップラーメンを常備できるのは、まだマシな方です。私は、受験生時代、インスタントラーメンを3回分くらいに分けて食べてました。」とのご指摘を頂戴しました。

 私のブログの内容が甘かったことを別の場所で話したところ、予備試験受験生からは、「インスタントラーメンを常備できるのはまだ裕福な層です。私は、食費がないからインスタントラーメンも常備できません。食費を節約するために、毎日1食しか食べません。どんなにお腹が空いていても我慢します。」と言われました。

 その予備試験受験生は、「法科大学院に行ける人は、大学まで卒業した恵まれた環境の人たちです。お金がなくて大学にも行けなかった私はまともな就職先もなく、法曹になる道も狭められています。」「法曹の道でさえ学歴社会・経済的格差社会で支配されているという不条理を何とかして乗り越えていきたいと考えています。」旨切々と訴えておられました。
 その予備試験受験生は、毎日、朝から晩まで働き、睡眠時間を2時間程度に削って予備試験と司法試験の勉強をしておられるそうです。

 私は、その予備試験受験生に対し、夕食をご馳走し、励ますこと以外何もしてあげることのできない自分のふがいなさを恥ました。
 
 予備試験制度は、唯一司法試験の公平性・透明性・公明生を確保する制度なのです。
 そして、法科大学院に行くこともできず、法曹を目指して懸命に努力し続けている受験生がいます。

 予備試験の合格者に法科大学院生や学部生の割合が多いからという理由で何故予備試験受験資格や合格者数を制限することができるというのでしょうか。

 予備試験組の受験生は、7割近くが最終的な司法試験に合格します。
 法科大学院組の司法試験合格率は、2割5分程度ですから、法科大学院修了組と予備試験合格者組とでは歴然とした実力差があります。
 予備試験合格レベルが高すぎることから、このような状況になっているのです。
 
 公平性・公明生、そして、給源の多様性を図るには、予備試験合格者数を増やして、予備試験組の司法試験合格率が法科大学院組と同じ2割5分程度の合格率になるようにすべきです。

 何故、予備試験の合格レベルをそんなに高くしているかというと、予備試験合格のレベルを下げると、法科大学院の存立が危ぶまれると考えてのことだと思います。

 何故そこまでして法科大学院を優遇しなければならないのでしょうか。
 
 実は、これほど法科大学院組が優遇されているにもかかわらず、法科大学院に行く人は激減しています。
 
 自由競争がお好きな司法改革推進派の方々の論理からすれば、法科大学院制度を直ちに見直すべきでしょう。
 
 少なくとも一刻も早く司法試験受験資格要件から法科大学院修了要件を外すべきです。

 このような不平等きわまりない司法試験のままでは、法曹を目指す人がいなくなります。
 
 

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