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2016.04.14
巷では、よく「司法改革に反対する弁護士やマスコミが『弁護士が食べられない』『弁護士になっても就職先がない。』等々弁護士やマスコミがネガティブキャンペーンを宣伝するから、法曹志願者が激減しているのだ。」との批判を受けることがあります。
その方々は、「もっと弁護士の職業的魅力を伝えるべきだ。」と言われます。
しかし、我々の発言が法学部生を6万人減らし、法曹志願者を激減させるほどの力を持っているとしたら、既に司法改革は180度転換を余儀なくされているでしょう。
残念ながら、我々の発言にそれほどの力はありません。
また、司法改革が始まるまで、弁護士の魅力を伝えるといった努力をしなくても司法試験受験者数は右肩上がりで増えていました。
学生は賢いのです。
弁護士の社会的意義や魅力は、ことさら喧伝しなくてもわかっています。ましてや弁護士を主人公にしたテレビドラマ等が氾濫する現代にあってわざわざ「伝えないとわからない」ということを前提にしていること自体学生を侮辱していると思います。
冒頭の意見は、それこそ我々の口を封じるためのネガティブキャンペーにほかなりません。
法学部生や法曹志願者の激減は、まさに司法改革の当然予測された「結果」であり、法曹離れの原因は、司法制度改革に根本的な制度設計ミスがあったからなのです。
「司法改革に反対する弁護士やマスコミが『弁護士が食べられない』『弁護士になっても就職先がない。』等々いうネガティブキャンペーンをするから、法曹志願者が激減しているのだ。」とのご意見は、自分たちの失敗を糊塗し、その責任を我々に押し付け、かつ、我々の言論を封じようとする卑劣な意見とのそしりを免れないでしょう。