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2016.05.12
法科大学院の今年度入学者数が過去最低を更新したそうです。
cf)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160511/k10010517321000.html
「法律の専門家を養成する法科大学院の今年度の入学者は、1857人と過去最低を更新し、学生を募集した全国の45校のうち、入学定員を満たしたのは一橋大学と甲南大学の2校にとどま」ったそうです。
「今年度、学生を募集した45校の入学者は合わせて1857人と、9年連続で過去最低を更新し」「入学者数が定員を満たしたのは一橋大学と甲南大学の2校」のみで、定員に占める入学者数の充足率は68%なのだそうです。
これに対する特別委員会の井上正仁座長のコメントがふるっています。
「民間企業への就職状況が好転したことや、学生が法科大学院修了後の展望を不透明と捉えていることなど、要因は複合的だと考えられる。」のだそうです。
旧司法試験制度下では民間企業への就職状況が好転した時期でも司法試験受験生は増え続けていました。
よって、「民間企業への就職状況が好転」したことと法科大学院入学者数(法曹志願者)が減ったこととは何の関係もないと思います。
以前は、民間企業への就職に目もくれず、民間企業の就職を蹴ってでも法曹を目指す人が多数存在していました。
井上正仁座長ともあろう方がそのような実態を知らないはずがありません。
まず、「学生が法科大学院修了後の展望を不透明と」「捉えている」との言い方は、本来は、法科大学院修了後の展望があるのに、学生がそういった展望を知らないという言い方で、学生を見下していると思います。
法科大学院に修了して弁護士になったとしても就職先はなく、独立しても赤字経営に陥るリスクが高く、最低限の生活さえままならないわけですから、まさに「法科大学院修了後の展望は不透明」であり、学生の認識は全く間違っていません。
法科大学院修了後の展望が不透明でないというのなら、明るい未来がえがけるようなビジョンを示して戴きたいです。
さらに言えば、法曹への需要がないのに、激増させたわけですから、法曹志願者が減ることは当然に予想できたことでです。
「今更、よく言うわ。」というのが率直な感想です。