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2016.09.12
平成28年9月10日のビジネスジャーナルに 「法科大学院、「無用の長物」化が深刻…出身者は就職不利、司法試験合格者ゼロ校も続出」と題する報道が」と題する記事が掲載されました。
記事を書いた記者は、平沼健という方だそうです。
(ご参照) http://biz-journal.jp/2016/09/post_16614.html
「無用の長物」とは、あまりにあまりの厳しい言い回しかと思います。
センセーショナルな題に目が引かれましたので、耳目を集め、一言でわかりやすいキャッチフレーズという意味では良くできている題名ということになるのかもしれません。
しかしながら、法科大学院の学生を思い、懸命に努力しておられる教授等も何名か個人的に存じ上げているので、さすがに「無用の長物」とまで言われるのは、あまりにお気の毒な気がしました。
当然法科大学院修了者の中には、この報道と同様なご意見をお持ちの方もいます。
法科大学院を肯定的に評価している弁護士に「法科大学院を終了して何が一番良かったですか。」と尋ねると返ってくる多くの答えは、「一緒に勉強する良い友達ができたから。」「楽しかったから。」という答えです。
その他よく伺うご意見としては、「法科大学院がなければ、弁護士にはなっていませんでした。法科大学院のおかげで法律の素養が身に付きました。」というものです。
こういったご意見もごもっともだと思います。
我々も法科大学院制度が良い部分が何もないなどと言っているわけではありません。
問題は、法曹養成制度として、これほどの多額の税金を投入して維持するほどの価値があるのかということであり、何故、司法試験の受験資格要件にして法曹を目指す人たちを強制的に法科大学院に導かねばならないのかということなのです。
どのような制度も悪い面ばかりではないでしょう。どのような制度にするにせよ、メリット・デメリットあるのは当然のことだと思います。
そのような観点からして、この記事にあるように、もし、法科大学院修了をしたことで就職にも不利になるとしたら、法曹志願者が激減するのは当然のことだと思います。
法科大学院制度にも良い面があるというのであれば、法科大学院修了を司法試験の受験資格要件にして法曹志願者に法科大学院を強制する必要はなく、行きたい人だけが行く任意の制度にすべきだと思います。