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2016.11.23
依頼者保護給付金制度は、評判が悪いので、依頼者見舞金制度に名称が変更されるようです。
予算のキャップ制も設けるようです。
依頼者給付金制度にしろ、依頼者見舞金制度にしろ、そもそも日弁連がこのような保険業のようなものを運用するのは保険業法に違反する可能性が高いと思います。
保険業法に反しないよう策を弄しているようですが、結局は小手先のものにすぎません。
「李下に冠を正さず」で日弁連が法律に違反するかのようなグレーな業務を行うべきではないと思います。
依頼者見舞金Q&Aには、「個々の弁護士の業務上の不正に対して弁護士会に監督義務違反の法的責任はないとしても、弁護士会が被害者に全く手を差し伸べないことでよいのか。」「日弁連がこのような態度を示すことが、弁護士・弁護士会への」「信頼と期待に応えるもの」との記載があります。
しかし、そもそも弁護士に対する需要がないのにもかかわらず、弁護士を増やせば、弁護士の不祥事が増えることは初めからわかっていたことです。
国民の信頼を失墜させるような司法制度に変容させたのは、日弁連の責任でもあるのです。
この点についても我々はさんざん警鐘を鳴らしてきました。
弁護士の需要がないのに、弁護士のみ激増させれば、弁護士の不祥事が増え、依頼者の人権が踏みにじられかねない、更には、弁護士自治が危機に晒され、司法制度の根幹が揺るがされると言ってきたのは我々です。
そして、案の定、誤った司法改革の結果、弁護士の不祥事が増え、依頼者市民の人権が蔑ろにされる事態が頻出するに至りました。
市民の人権を考えるべきであるというのなら、もともと弁護士の不祥事が起きないようなシステムにすべきで、誤った司法改革など進めるべきではなかったのです。
本来あるべき真の司法改革は行わずに、法科大学院を設け、弁護士の人数のみを激増させる誤った『司法改革』を進めてきて、実際に弁護士の信頼が失われたということで、マッチポンプ的な制度を設けると言われても納得できるものではないでしょう。
しかも会員の会費からです。
本来、誤った司法改革で人権侵害を生じせしめることがわかっていながら、これに加担してきた人たち、未だに誤った司法改革を進めようとしている弁護士のみが、或いは、この制度に賛同できる弁護士のみが基金を作って運用すべきだと思います。
このようなQ&Aの書き方は、「司法改革に反対する弁護士は自分の利益のみを考える悪い弁護士で、司法改革に賛成する弁護士は人のことを考える良い弁護士」とのレッテル貼りをしてきた誤った司法改革を進めてきた手法と同じ印象を受けます。
依頼者見舞金制度に賛成する人は、あたかも市民の人権のことを考え、弁護士会の信頼を考える良い弁護士で、依頼者見舞金制度に反対する弁護士は、自分のことしか考えない悪い弁護士といったレッテル貼りをしているように見えるからです。
しかし、そもそも実際に市民の人権が踏みにじられるリスクを承知の上で誤った司法改革を進め、司法制度を滅茶苦茶にしてきたのは誰なのでしょうか。
自分達の責任は棚に上げて、人に結果責任だけをなすりつけ、しかも、反対する弁護士はあたかも弁護士会の信頼や期待を考えない利己的な弁護士のようなレッテル貼りをするのは、いかがなものでしょうか。