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2020.03.14
令和2年3月11日、日弁連会長選挙の再投票が行われ、同日、仙台弁護士会の荒中弁護士が日弁連の会長選挙に当選しました。
<日弁連HPの再投票速報>⇒https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/news/2020/200311_sokuhou.pdf
今回の日弁連会長選挙は、異例づくめでした。
これまでは、主流派と反主流派の2名が立候補するのが常で、時に3名程度立候補することはありましたが、今回のように7名もの弁護士が立候補を表明し、選挙期間が始まるまでに2名が立候補を断念し、それでも5名もの立候補者が出たというのは、日弁連の歴史始まって以来だったと思います。
また、今回の選挙ほど政策が問われた会長選挙もなかったと思います。
私は、今回の選挙では、仙台、大阪、香川の3か所で立会演説会に参加させて戴きましたが、いずれも非常に聞きごたえのある立会演説会でした。
立会演説会毎に皆さん演説も政策も微妙に変化してきていて、非常に興味深く拝見させていただきました。
ちなみに、令和2年2月7日に行われた会長選挙では、最多得票数を獲得した山岸良太弁護士が18単位会以上で多数をとれなかったため、山岸良太弁護士と荒中弁護士との再投票となり、3月11日、決選投票が行われ、再投票の結果、荒中弁護士が当選したのです。
熾烈な選挙となり、投票前には、「山岸陣営から投票のお願いの電話がかかってきた。」「荒陣営から電話がかかってきた。」といった話がツイッターで飛び交っていました。
ツイッターでは、山岸陣営の出したファックスが非常に問題視されており、再投票でも、このファックスの影響がかなりあったとの見方が大半を占めています。
問題となったファックスは、このブログでも添付しておきます。
荒候補と山岸候補との闘いは、「地方対都会」の闘いとか、「どちらが主流派中の主流派か?」といった話も出ていましたが、会長選挙の分析について、京都弁護士会の古家野彰平先生が速報的に掲載された記事が非常にわかりやすく、良くできていると思い、古家野先生のご承諾を得て下記に転載させて戴きます。
私が驚いたのは、過去のほとんどの日弁連会長経験者が山岸良太先生を推していたにもかかわらず、荒中先生が当選されたということです。
主流派が割れたことや5人もの会長候補者が立候補したこと、ツイッターによる情報拡散、歴代のほとんどの日弁連会長が推していた候補者の落選等々、弁護士会の中で何かが少しずつ動き始めているのかもしれません。
以下は、京都弁護士会所属:古家野彰平弁護士の分析
(引用はじめ)
「速報値で見る日弁連会長選挙(敬称略)】
速報値では、荒10145票、山岸9537票(608票差)。
会数も荒39、山岸12で荒勝利。
山岸は1回目・再投票共に単位会18会獲得要件を果たせなかった。
1回目の投票との比較を見てみる。
・投票率は49.92%から47.24%に若干低下。
・得票数は荒+3201に対し山岸+808。
・得会数は荒+11に対し山岸-2。
・1回目で川上が獲得した中部弁連は、再投票で岐阜を除く5会を荒が獲得。
・1回目で山岸勝利だったところで再投票で荒勝利に変わったのは、東弁、一弁、群馬、新潟、岡山、香川の6会。
この中で票数の多い東弁、一弁での荒山岸の票差(荒得票数-山岸得票数)を見ると、東弁は1回目-325に対し再投票103(変動+423)、一弁は1回目-32に対して再投票160(変動+192)であり、東弁一弁の変動合計値は+615であった。
再投票で山岸がとった大阪も、1123対1083とあと40票差まで迫られる接戦であった。
大規模会は二弁を除き、1回目・再投票を通して荒山岸の一騎打ちであったが、再投票は荒陣営の勢いが山岸陣営を圧倒していたことがわかる。
・以上を見ると再投票は大規模会VS地方会の構図ではない。
山岸は自陣の大票田である二弁の票数アドバンテージを、大小問わない他の単位会の戦いで削り取られていったとみることができる。
(引用終わり)
添付資料を見る(PDF: 333 Kbyte)