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仙台公聴会(3)

2024.02.03

 

まずは、そのような及川さんの熱い思いに対するご支援を心からお願いいたします。

日弁連会長に求められるものは何でしょうか?
私は、「誠実さ」と「政策の正しさ」だと思います。

まず、「誠実さ」です。
日弁連のトップリーダーである会長は、会員から信頼される存在でなければなりません。
まさに、「信なくば立たず」であります。
信頼されるには、なによりも「誠実さ」が求められます。

日弁連会長に求められる「誠実さ」とは何でしょうか?

まずは、1人1人の会員の声を真面目に聞いて、会員1人1人の声をすくい上げることです。

そして、会員1人1人の声をふまえた政策を具体化し、その政策の実現に向けて、噓をついたり、ごまかしたりすることなく、丁寧な説明を尽くし、実直に動くことです。
これこそが日弁会長に求められる誠実さです。
村越進さんと武内更一さんが戦った2014年の日弁連会長選挙の投票率は、46.64%でした。
当時、現行制度では史上最低を記録したと話題になりました。
菊池裕太郎さんと武内更一さんが戦った2018年の投票率は、さらに低下して40.01%でした。

小林さん、高中さん、及川さんの三つ巴となった前回2022年の投票率も、43.24%にとどまりました。

今回の会長選挙は、残念ながら、前回,前々回と比べて、盛り上がりを欠いています。
この公聴会にも、このとおり各候補者の関係者以外には、ほとんど人が集まっていません。
会長選挙が行われていることを知らない会員も少なくないのではないでしょうか。
今回の投票率は40%を割るのではないかと心配されます。

選挙に行かない人が増えることで、権力を握り続けたい人だけが政治の世界に残るという悪循環が「政治の貧困」を進化させる、という指摘があります。
日弁連においても、政治の世界と全く同じことが起きています。まさに危機的状況といわなければなりません。

 なぜ、このようなことになってしまったのでしょうか?
 私も、2015年度執行部の一員でしたので、会長をはじめとする執行部のみなさんが大変な苦労をして日々会員のために頑張っていることはわかっているつもりです。

 しかし、執行部の大変な努力にもかかわらず、選挙にいかない多くの会員は、日弁連執行部を自分達から遠い存在だと感じています。選挙にいかない多くの会員は、「1人1人の会員の声を真面目に聞いてくれない」、「会員1人1人を大切してくれない」、「だから、日弁連執行部は信頼できない、何も期待しない」、と思っています。
多くの会員が日弁連執行部を信頼し、期待を寄せていれば、投票率が40%などということにならないはずです。

2021年に、法曹人口政策に関する当面の対処方針を検討する組織を設置する際、執行部は、ある弁護士会が推薦した人を委員として任命することを拒否し、その弁護士会は委員を出すことを見送ったということがありました。
執行部が望むような結論となるような委員の人選が行われたのではないのかとの疑念を払拭することができません。そのような執行部の対応では、単位会や会員の信頼を得ることはできません。

これまで日弁の中枢を担ってきた人、これまでの日弁連の路線にしがらみがある人では、日弁連執行部に対する会員の信頼を取り戻すことはできません。

及川さんは、この選挙期間中も含めて1年365日、①庶民の日常生活にかかわる法テラス事件や②外国人の生存権訴訟,③生活保護却下決定の取消訴訟、④住民訴訟、⑤精神保健当番弁護士制度等々、人権擁護の最前線で、悪戦苦闘しています。

及川さんは、自分と同じように人権擁護の現場で悪戦苦闘している1人1人の弁護士の苦悩を知り尽くし、会員1人1人を本当に大切にしなければならないという決意とマインドを持ち続けています。

及川さんが会長になれば、時間はかかっても、多様な価値観を尊重して、各単位会から推薦された委員の熟議で誠実に日弁連の政策を決めていきます。

そのような及川さんこそが、誰よりも日弁連会長にふさわしいといえます。
そのことを、まず、皆さんに訴えます。

次に、「政策の正しさ」です。

渕上候補の選挙公報を拝見すると、「立憲主義と恒久平和主義を守る」から始まって、30項目以上の政策課題が掲げられています。日弁連が対応しなければならない課題はまさに山積しています。
とはいえ、ほとんどの問題は、対応する委員会等が専門性をもって長年にわたって取り組んでいます。はっきりいって、これまでがそうであったように、誰が会長になっても、日弁連の山積する問題にそれほど大きな違いが出るとは思えません。


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